【徹底解説講座】果樹栽培では〇〇期が重要!?収量を最大化するための必須知識とは?

チュートリアル 更新日:


 

当記事では、YouTubeチャンネル「味の素グループアミノ酸肥料ch」で公開されている動画「【徹底解説講座】果樹栽培では〇〇期が重要!?収量を最大化するための必須知識とは?」の内容をテキスト化してご案内しています。

 

【この記事で紹介されるバイオスティミュラント】

目次

    果樹栽培をしていて、「今年は花が多すぎて間引き作業が大変だった」「翌年は花が少なく収量が激減した」といった経験はありませんか? これは、隔年結果と呼ばれる現象が原因です。この問題を解決する鍵は、「花成誘導期」にあります。

    果樹の花成誘導を正しく理解し、効果的な対策を行えば、安定した収量と品質を確保することが可能です。本記事では、花成誘導の基本からその最適化方法までを徹底解説します。

    【花成誘導とは?その仕組みを知ろう】

    果樹の収量を安定させるためには、「花成誘導」がどのように行われるのかを理解する必要があります。しかし、花成誘導とは何か理解する前に生育サイクルを正確に理解することは収量や品質を向上させる上で欠かせないポイントです。まずは果樹の生育プロセスを押さえておきましょう。

    (1) 果樹の生育サイクルとは?

    果樹の生育サイクルは、芽吹きから開花、結実、果実の肥大、収穫、そして休眠期へと進む一連のプロセスです。このサイクルは年ごとに繰り返され、各段階で植物は異なる栄養要求やエネルギー消費のバランスを取ります。例として、ブドウを取り上げると、その生育サイクルは他の果樹と非常に似ていますが、果実の肥大や開花のタイミング、成長の特徴には独自性があります。これを知ることで、他の果樹にも応用可能な管理手法を学ぶことができます。

    (2)目に見える段階と見えない段階

    果樹の生育サイクルには、栽培者が目で確認できる成長段階と、内部で進行する見えないプロセスがあります。例えば、蕾が形成され、開花が始まる段階は一目でわかりますが、その前に起きている「花成誘導」の開始は目視では確認できません。実は、花成誘導は果実の肥大期の途中から始まります。この段階で翌年の花芽が内部で準備されるため、植物の成長エネルギーの一部が果実の肥大だけでなく、次のシーズンの準備にも使われます。

    (3)花成誘導が生育サイクルの出発点

    一般的には、蕾の形成や開花が生育サイクルの始まりと考えられがちです。しかし、収量を最大化するためには、花成誘導の開始を「生育サイクルの真の出発点」として捉えるべきです。この段階から適切な管理を行うことで、翌年の花数や果実の品質を大きく左右します。

    花成誘導とは、果樹が翌年の花芽を形成するために内部的な準備を開始するプロセスのことを指します。これは、果実がまだ成熟している最中に、次のシーズンのための花芽形成の準備が進行していることを意味します。具体的には、果実が肥大している段階から始まり、植物がエネルギーや栄養素を次の花芽に向けて分配するプロセスです。

    一見、果樹は現在の果実を育てることに全力を注いでいるように見えますが、実はこのタイミングで翌年の花芽を形成するための重要な準備が始まっています。これが、収量と品質の安定に直結する理由です。

    【隔年結果のメカニズム】

    果樹栽培において、多くの栽培者が経験する現象の一つに「隔年結果」があります。隔年結果とは、ある年に果樹が大量の花を咲かせて豊作になる「表年」と、翌年に花の数が少なくなり不作となる「裏年」を交互に繰り返す現象です。この現象は収量の安定化を妨げるだけでなく、品質や栽培効率にも影響を及ぼします。

    隔年結果が起こる原因①エネルギーの集中

    表年に多くの果実が結実すると、その果実の成長に必要なエネルギーが優先され、花成誘導に使われるエネルギーが不足します。このエネルギー不足により、翌年の花芽形成が阻害されるのです。

    隔年結果が起こる原因②花成誘導のタイミング

    花成誘導は、果実が肥大している期間に開始されます。このタイミングで果実にエネルギーが集中しすぎると、花成誘導が十分に進まないため、翌年の花数が減少します。

    隔年結果が起こる原因③間引き作業の必要性

    表年には多くの果実が結実するため、間引きを行わなければエネルギーの消耗がさらに激しくなります。しかし、間引きには多大な時間と労力がかかるため、栽培者にとって大きな負担となります。

    【隔年結果の対策】

     

    果樹栽培において、隔年結果は収量や品質の安定を阻害する大きな課題です。しかし、適切な管理や資材の活用によって、隔年結果を軽減し、安定的な収量を実現することが可能です。本トピックでは、隔年結果への具体的な対策を紹介します。

    (1)表年のネルギー管理

    隔年結果を軽減するためには、表年のエネルギー配分を最適化することが重要です。

    未熟果の間引き

    表年に過剰に結実した果実を間引くことで、樹体へのエネルギー消耗を抑えることができます。これにより、果実肥大や品質向上だけでなく、翌年の花成誘導に必要なエネルギーを確保できます。

    早期の判断と計画的な間引き

    間引き作業はタイミングが重要です。果実が肥大する前に行うことで、樹体への負担を最小限に抑えられます。

     

    (2)花成誘導の促進

    翌年の花数を確保するためには、花成誘導をサポートすることが欠かせません。

    資材の活用:テカミンフラワーの施用

    表年の果実肥大期に「テカミンフラワー」を施用することで、花成誘導を促進し、翌年の花芽形成を助けることができます。この施用タイミングは、果実の肥大が始まる時期から核硬化期までが効果的です。

    光合成の促進

    十分なエネルギー供給のためには、葉面散布や栄養管理による光合成の強化が重要です。これにより、翌年に必要な炭水化物を確保できます。

     

    (3)樹体全体の健康管理

    樹体の健康を維持することで、隔年結果の発生リスクを低減することができます。

    収穫後の施用

    果実収穫後から葉が落ちるまでの期間に、バイオスティミュラントを施用して樹体のエネルギー回復をサポートします。このタイミングでの施用により、翌年の花芽形成を支える糖やエネルギーの蓄積を促進します。

    土壌改良と栄養補給

    微量元素(ホウ素、亜鉛、モリブデンなど)やカルシウムを適切に補給することで、樹体の健康を維持します。収穫後の施用が最適ですが、事前に施用して土壌環境を整えることも効果的です。

    [微量要素配合のバイオスティミュラント]

    (4)環境ストレスへの対応

    高温や低温などの環境ストレスも隔年結果の一因です。これに対処するための対策も重要です。

    高温対策

    開花期や結実期に高温が予想される場合は、葉面散布でテカミンマックスを施用することで、果樹へのストレスを軽減できます。

    水分管理

    過剰灌水や乾燥を防ぎ、樹体の水分バランスを適切に保つことで、果樹へのストレスを最小限に抑えます。

    隔年結果の対策は、樹体のエネルギー管理、花成誘導の促進、環境ストレスの軽減、計画的な施用プログラムに基づいて行われます。これらの対策を適切に組み合わせることで、収量や品質の安定化が期待できます。栽培者としては、年間を通じた計画的な管理を実践し、果樹の健康を保つことが求められます。

    【雌性器官と減数分裂】

    果樹栽培において、雄性器官の減数分裂は受粉と結実に直結する重要なプロセスです。この段階での問題は、果樹全体の収量と果実品質に大きな影響を与える可能性があります。雄性器官の減数分裂における基本的な仕組みと、発生し得る問題への対策を解説します。

    (1)雌性器官の減数分裂とは?

    雄性器官の減数分裂は、花粉粒の形成を伴うプロセスです。この過程で、減数分裂を経て小胞子が形成され、さらに花粉粒と葯が成熟します。この一連の過程は、休眠の終わりから花芽が膨らみ始める時期にかけて進行し、長期間を要します。

    このプロセスは、雄性器官が果樹の受粉成功において重要な役割を果たすため、特に裏年やストレス条件下で適切な管理が求められます。

     

    (2)発生する可能性のある問題

    雄性器官の減数分裂中に直面する可能性のある問題には、以下が挙げられます:

    1. 栄養不足

    減数分裂にはエネルギーが必要です。不足が発生すると、花粉粒が正常に形成されない可能性があります。

    2. サイトカイニン不足

    サイトカイニンは根の成長点や土壌微生物によって生成されますが、根の活動が弱いと十分な量が供給されず、減数分裂が妨げられることがあります。

    3. 環境ストレス

    低温ストレスや高温ストレスは、減数分裂やその後の花粉管形成に悪影響を与えます。特に、高温による胚珠の早期死滅が問題となります。

    4. 微量栄養素の不足

    ホウ素やモリブデン、亜鉛の不足は、減数分裂および花粉粒の形成に必要な酵素の活動を阻害します。

     

    (3)効果的な施策

    1. アグリフルの施用

    休眠の終わりにアグリフルを施用することで、根の成長を促進し、サイトカイニンの生成量を増やします。これにより、減数分裂に必要なホルモンバランスが整います。また、土壌微生物の活動を活性化させることも可能です。

     

    2. 栄養の補充

    ホウ素やモリブデン、亜鉛などの微量栄養素を含む製品を、前のシーズンから収穫後まで適切に施用することで、栄養不足を防ぐことができます。

    3. 環境ストレスへの対応

    高温ストレスが予想される場合、テカミンマックスを葉面散布で施用することで、ストレス耐性を高め、雄性器官の活動を保護します。低温ストレスには、適切な灌水や土壌管理を行い、樹体の健康を維持します。

     

     

    【バイオスティミュラントのタイミング別のアプローチ】

    果樹栽培におけるバイオスティミュラントの活用は、施用するタイミングが成功の鍵を握っています。果樹の生育サイクルにおいて、特定の時期に適切な資材を使用することで、花成誘導から収穫後の管理まで、果実の品質と収量を効果的に向上させることができます。ここでは、各タイミングにおける施用アプローチを解説します。

    ・表年の花成誘導期

    表年における花成誘導期は、翌年の裏年に備えるための重要な時期です。この時期には、テカミンフラワーを施用することで、翌年の花芽数を確保できます。花成誘導期に炭水化物が不足すると花芽が葉芽に戻るリスクが高まりますが、テカミンフラワーが糖の供給を促し、植物が花芽形成を継続するようサポートします。施用のタイミングとしては、果実肥大期から核硬化期が最適です。

    開花期から細胞分裂期

    開花期から細胞分裂期にかけては、花粉の形成や受粉、結実が行われる重要な時期です。この期間には、サイトカイニンを生成するアグリフルを施用することで、結実率を向上させる効果が期待されます。また、テカミンマックスやカルシウムを含む製品を葉面散布することで、細胞分裂をサポートし、果実の最終的なサイズを決定する基盤を作ります。

    [カルシウム配合のバイオスティミュラント]

    果実肥大期

    果実肥大期には、細胞壁を柔軟にするためのオーキシン、細胞壁の強化に必要なカルシウム、さらに水分保持をサポートするプロリンやベタインが重要です。この時期にはテクノケルアミノCaBを施用し、果実の肥大を促進します。同時に、高温や乾燥のストレス条件下では、アグリフルを使用して根の水分吸収能力を向上させることが効果的です。果皮の細胞分裂を改善し、裂果を防ぐ役割も果たします。

     

    収穫直前期

    収穫直前期には、糖度と果実の色づきを向上させるための施用が重要です。この時期には、テカミンブリックスが適しています。テカミンブリックスにはスクロースを葉や貯蔵器官から果実に移動させるカリウムが含まれており、これらの成分が糖を果実に効率的に輸送し、着色を促進します。特に、高温条件下では色素生成が阻害される可能性があるため、この時期の適切な施用が収穫品質を左右します。

    [カリウム配合のバイオスティミュラント]

    果樹栽培におけるバイオスティミュラントの効果を最大限に発揮するためには、生育サイクルの各段階で適切なタイミングを見極めて施用することが不可欠です。それぞれの時期に応じたアプローチを取ることで、果樹の健康と収量、さらには果実の品質向上を実現することができます。

      

    【まとめ】

    果樹栽培で安定した収量と高い品質を得るためには、隔年結果を抑え、花成誘導期を中心とした計画的な管理が不可欠です。本記事で紹介したバイオスティミュラントを活用し、栽培の各段階で効果的な対策を講じましょう。詳しい果樹の生育プロセスやバイオスティミュラントについて「【徹底解説講座】果樹栽培では〇〇期が重要!?収量を最大化するための必須知識とは?」こちらの動画で解説していますので、気になる方はこちらから動画をご視聴ください。

     

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