【科学的/徹底解説】アミノ酸バイオスティミュラントとは? 技術開発ディレクターが開発プロセスからその機能メカニズムまで詳細に説明します。

チュートリアル 更新日:


今回の記事では、YouTubeチャンネル「味の素グループアミノ酸肥料ch」で公開されている動画「【科学的/徹底解説】バイオスティミュラントの開発とは?その潜在能力とは? 技術開発ディレクターが開発プロセスからその機能メカニズムまで詳細に説明します。」の内容をテキスト化してご案内しています。

 


目次

     

    【今話題のバイオスティミュラントとは?】

    まずは、バイオスティミュラントの定義から始めましょう。

    植物バイオスティミュラントとは、栄養成分の量に関係なく、植物の代謝を活性化し、次のような特性を一つ以上改善する製品のことです。

    ・栄養素の利用効率の向上

    ・生物的ストレスに対する耐久性

    ・品質特性の改善

    ・土壌または根圏の限られた養分の利用可能性の向上

    バイオスティミュラントを使うことで、植物が資源、肥料成分、水を効率よく利用し、熱ストレスや干ばつストレス、さらには農薬による化学的ストレスなどのさまざまなストレスを乗り越え、作物や果実の品質を向上させることができます。

    例えば、葉の面積や根のサイズを大きくしたり、果実の糖分含有量を増やすことができます。

    重要なのは、バイオスティミュラントが栄養成分の代わりにはならないということです。

    肥料をバイオスティミュラントで置き換えることはできません。バイオスティミュラントは他の農業資材の効率を高める補助的な製品です。バイオスティミュラントは、その製品内の栄養素の有無に関係なく、基本的に異なるメカニズムで作用します。

    【バイオスティミュラントは他の農業資材の効果を補完して高めるもの】

    バイオスティミュラントは農薬類とは異なり、植物の活力にのみ作用し、害虫や病気に対して直接作用することはありません。したがって、バイオスティミュラントの効果は他の農業資材の効果を補完して高めるものです。

    このスライドでは、バイオスティミュラントが現代農業において重要なツールであることがわかります



    肥料や伝統的な肥料、植物保護する農薬、ホルモン成長調整剤とバイオスティミュラントを組み合わせて使用することで、作物の収量と潜在能力を最大化することができます。



    繰り返しますが、バイオスティミュラントは他の農業資材と同じくらい重要です。

    特に現在、気候変動や水不足、高温などの多くの環境問題に直面しているため、バイオスティミュラントは作物の生産性を維持するために非常に重要です。

    アグリテクノの製品は基本的にアミノ酸をベースにしています。アミノ酸はタンパク質や酵素の一部である有機分子です。酵素は特定の種類のタンパク質です。タンパク質と酵素は細胞の適切な機能に欠かせないものであり、アミノ酸はタンパク質の構成要素であるだけでなく、植物の多くの異なる機能や活動にも非常に重要です。このプレゼンテーションの後半で詳しく説明しますが、アミノ酸はタンパク質や酵素の構成要素としてだけでなく、植物にとって多くの異なる役割を果たしています。


    アグリテクノの製品は主にアミノ酸をベースにしていますが、アミノ酸だけで構成されているわけではありません。実際に、私たちの製品の強みの一つは、多くの成分を含んでいることです。さまざまな製法やプロセスを通じて製造されたアミノ酸を原料としていますが、これらのアミノ酸とともに、多くの他の有効成分も含まれています。私たちの製品は植物由来のため、これらの成分や他の副成分は植物によって迅速に吸収されます。

    【アミノ酸の重要性について】

    アミノ酸について解説します。

    その重要性と植物の代謝における相互作用、そして農業が直面しているさまざまな課題や問題を改善するのにどのように役立つか説明します。

    まず、アミノ酸の化学的性質について紹介します。
    アミノ酸はタンパク質の基本単位であり、COOHグループ(カルボキシル基)、NH2グループ(アミノ基)、水素原子、そして各アミノ酸に固有の特性を与える異なる側鎖を持っています。

    「自然界には500種類以上のアミノ酸がありますが、そのうちタンパク質を作ることができるアミノ酸は20種類だけです。

    つまり、タンパク質や酵素を作ることができるのはこの20種類だけです。

    次に、そのタンパク質について、アミノ酸がどのように結合してタンパク質を形成するかについて説明します。

    異なるアミノ酸が結合してタンパク質を形成する結合はペプチド結合と呼ばれます。この結合は、一つのアミノ酸のカルボキシル基と別のアミノ酸のアミノ基が結びつくことで成り立っています。この時、カルボキシル基からのOH基(水酸基)とアミノ基からの水素が取り除かれ、水分子が形成されます。

    アミノ酸を生産する一つの方法として、タンパク質を分解する方法を簡単に説明します。この方法では、化学的な酸や、ペプチダーゼやプロテアーゼと呼ばれる特定の酵素を使用します。これらの酵素はペプチド結合を分解することができ、加水分解酵素と呼ばれるものです。加水分解とは、ペプチド結合を分解し、カルボキシル基とアミノ基を復元するために水を必要とすることを意味します。つまり、このプロセスには水が必要です。

    アミノ酸について重要な点は、自然界には2種類の光学異性体が存在することです。これは、同じアミノ酸が異なる原子の空間配置を持っているということで、L体とD体と呼ばれます。簡単に理解するには、自分の手を見てみてください。私たちの手は2つあり、見た目は同じですが、片方の手をもう片方の手の上に重ねようとしてもフィットしません。指の配置は同じですが、ぴったり合いません。アミノ酸もそれと同じです。L体は原子が左に、D体は右に配置されています。

    重要なのは、L体のアミノ酸だけがタンパク質や酵素、その他の重要な分子の生成に使われるという点です。このため、私たちの製品では、アミノ酸は常に天然由来のものから作られています。加水分解や発酵などの方法を用いても、製品にはL体のアミノ酸が含まれており、研究によるとL体の方が植物によりよく吸収されることが示されています。

     

    【アミノ酸の生成プロセスについて】

    ここでアミノ酸がどのように生成されるかを簡単に説明します。
    最も一般的なプロセスの一つは加水分解です。先にも触れたとおり、加水分解は化学的手段や酵素的手段で行われ、基本的にはタンパク質を分解してアミノ酸を分離するということです。

    ここで、アミノ酸を生成する4つの代表的なプロセスを見てみましょう。化学的加水分解、酵素的加水分解、合成、そして発酵です。化学的加水分解は通常、タンパク質が多く含まれる材料を選ぶことが重要です。これは非常に効率的な方法で、タンパク質を分解するのに効果的でコストも低いですが、特定のアミノ酸が失われる可能性もあります。そのため、最終的な製品にすべての必要なアミノ酸が含まれないことがあります。

    さらに、このプロセスの条件によって塩素やナトリウムの残留物が生じることがあり、それが望ましくない結果をもたらす場合があります。

    次に、酵素加水分解について説明します。これはペプチド結合を切断するプロテアーゼを利用する方法です。酵素加水分解は、より特異的で条件が穏やかな方法です。この方法では、アミノ酸だけでなく、原材料から由来する他の有益な化合物も最終製品に含めることができます。

    酵素は天然の物質であり、L体アミノ酸で構成されているため、ラセミ化(L体とD体アミノ酸の混合)が起きません。この方法では、L体アミノ酸のみが得られ、総アミノ酸の量に対する遊離アミノ酸の量の割合があまりブレず、大体一定です。総アミノ酸とは、酵素的加水分解プロセス中に完全には分解されなかったペプチドを含む総量を指します。

    つまり、遊離アミノ酸とペプチドの混合物が得られ、それに加えて他の有益な化合物が含まれるため、製品の効果が高まります。合成の場合、異なる化学分子を組み合わせて最終的な分子であるアミノ酸を生成します。このプロセスでは、L体とD体のアミノ酸の混合物が生成され、最終的には1種類のアミノ酸だけが得られます。

    そして最後に発酵についてです。発酵は、アグリテクノ社で原料として使用しているアミノ酸を生成するために使用されるプロセスです。

    この方法では、アミノ酸を生成する微生物を使用します。私たちは常に植物由来の材料を使って微生物に栄養を与えます。

    このプロセスを通して、アミノ酸だけでなく、微生物が生成する他の有益な化合物も含んだ非常に複雑な製品が得られます。

    これらは一種の副産物ですが、製品の効果に非常に有益です。最終的には、さまざまな代謝物が含まれる製品が得られます。これが製品の効果を高め、製品に独自性を与える重要な要素なのです。

    さらに、このプロセスの条件によって塩素やナトリウムの残留物が生じることがあり、それが望ましくない結果をもたらす場合があります。

    次に、酵素加水分解について説明します。これはペプチド結合を切断するプロテアーゼを利用する方法です。酵素加水分解は、より特異的で条件が穏やかな方法です。この方法では、アミノ酸だけでなく、原材料から由来する他の有益な化合物も最終製品に含めることができます。

    酵素は天然の物質であり、L体アミノ酸で構成されているため、ラセミ化(L体とD体アミノ酸の混合)が起きません。この方法では、L体アミノ酸のみが得られ、総アミノ酸の量に対する遊離アミノ酸の量の割合があまりブレず、大体一定です。総アミノ酸とは、酵素的加水分解プロセス中に完全には分解されなかったペプチドを含む総量を指します。

    つまり、遊離アミノ酸とペプチドの混合物が得られ、それに加えて他の有益な化合物が含まれるため、製品の効果が高まります。合成の場合、異なる化学分子を組み合わせて最終的な分子であるアミノ酸を生成します。このプロセスでは、L体とD体のアミノ酸の混合物が生成され、最終的には1種類のアミノ酸だけが得られます。

    そして最後に発酵についてです。発酵は、アグリテクノ社で原料として使用しているアミノ酸を生成するために使用されるプロセスです。

    この方法では、アミノ酸を生成する微生物を使用します。私たちは常に植物由来の材料を使って微生物に栄養を与えます。

    このプロセスを通して、アミノ酸だけでなく、微生物が生成する他の有益な化合物も含んだ非常に複雑な製品が得られます。

    これらは一種の副産物ですが、製品の効果に非常に有益です。最終的には、さまざまな代謝物が含まれる製品が得られます。これが製品の効果を高め、製品に独自性を与える重要な要素なのです。

     

    【アミノ酸と植物の関係性について】

    アミノ酸が植物に施用されると、どのように、そしてなぜ植物がさまざまな問題を解決するのに役立つのかを説明します。基本的に、アミノ酸は植物がダメージを修復し、タンパク質のような分子を構築し、エネルギーを生産し、植物が代謝プロセスを促進するのを助けます。

    つまり、アミノ酸は植物の成長においてほぼすべての重要なプロセスに関与しており、根や樹の成長を促進し、果実の生産量を最大化するために重要です。


    代謝物は私たちの生物学的機能を支えるものです。代謝の定義を見てみると、代謝とは、生物の細胞が簡単な物質から複雑な物質を作り出すための一連の化学反応のことです。

    基本的に、私たちの体内や植物の細胞内には、必要な分子を生産するための自然の化学実験室のようなものが存在します。

    これにより、植物、動物、微生物が生命活動を営むために必要なすべての分子を生成することができます。植物も私たちと同じように、成長、発展、繁殖に直接関連する一次代謝を持っています。これには光合成、植物にエネルギーを供給するクエン酸回路、タンパク質、アミノ酸、核酸の生成といった重要なプロセスが含まれています。

    しかし、私たちとは異なり、植物には特有の二次代謝もあります。二次代謝は一次代謝ほど生命に直接関わるものではありませんが、特にストレス条件や病原体に対する防御で植物が状況の変化に適応するために非常に重要です。

    次に、アミノ酸の役割を三つの大きなカテゴリーに分けて説明します。まず、タンパク質の構成要素としての役割。次に、エネルギー代謝に関連する活性成分としての役割。そして、炭素と窒素の代謝の中心的な部分を担う役割です。これらの役割は植物の重要な代謝経路に関係しています。

    タンパク質の構成要素としての役割についてはすでに説明しましたが、タンパク質は植物のすべての機能にとって不可欠であり、アミノ酸がその基盤を形成しています。

    代謝の活性成分として、アミノ酸は植物が成長し、発展し、適応するために必要な物質を作るベースとなります。さらに、アミノ酸は酵素の前駆体でもあり、酵素は植物の他の代謝経路を調整する役割を果たします。


    基本的に、アミノ酸と植物内の他の分子が反応することで、生物学的反応が進み、他の重要な物質が生成されます。

    例えば、グルタミン酸です。グルタミン酸は窒素代謝において非常に重要な分子で、植物が吸収した無機窒素から最初に作られるアミノ酸です。その後、グルタミンに変換され、それがグルタミン酸に含まれた窒素を植物の他のすべての部分に輸送する役割を果たすのです。

    さらに、グルタミン酸は植物内で窒素の貯蔵庫として機能します。つまり、グルタミン酸の量を調整することで、植物は穀粒や葉など、窒素が必要なさまざまな部分の窒素需要をコントロールできます。

    グルタミン酸は他のアミノ酸の前駆体であり、クロロフィル、リボ核酸、スクシニルCoA、そして非常に重要な抗酸化物質であるグルタチオンの前駆体でもあります。グルタミンは窒素を植物の他の部分、例えば種子や若い葉に運ぶ役割を果たします。窒素の移動と供給は、特に穀物が成熟する時期にはとても重要です。

    ここで、アミノ酸のさまざまな機能と、それらがバイオスティミュラントを施用する際に求められる特定の機能や効果とどう関連しているのかを見ていきましょう。アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、植物の成長やエネルギー供給に欠かせない役割を持っています。また、アミノ酸は二次代謝産物の前駆体となり、作物に香りや色素を与えます。作物に香りや色素を与えるということも成長と発展であり、アミノ酸はこれに関連しているのです。

    さらに、アミノ酸は植物の成長に欠かせない炭素と窒素の同化にも関わっており、肥料の効率を高める働きもあります。つまり、アミノ酸を含む製品を植物に使うことで、基本的な代謝を改善し、植物内部の栄養の利用効率も向上させることができるのです。

    また、アミノ酸は植物の成長と発展に重要なホルモン、例えばオーキシンの前駆体でもあります。光合成にも関与しており、クロロフィルを作る元になります。さらに、繁殖段階でも重要で、花粉管形成や生殖システムに直接影響します。例えば、グリシンなどのアミノ酸はキレート作用があり、植物内で微量栄養素を移動させるのを助けます。これにより、植物の栄養状態が改善されます。そして、アミノ酸を含む製品は、ストレスを緩和する製品としても非常に重要です。多くのアミノ酸が植物が厳しい環境条件を乗り越えるのを助けてくれるのです。


    結果として、アミノ酸は植物のほぼすべてのプロセス、成長、栄養、開花、エネルギー生成とストレス耐性に影響を与えることがわかります。


    これらの製品を使う最終的な目標は、植物の生理や代謝について深く理解することでは勿論なく、作物に良い効果・影響を与えることです。

     

    【まとめ】

    私が説明している様々なことの結論として言いたいのは、アグリテクノのアミノ酸ベースの製品を使うと、作物の収穫量が増えるということです。

    たとえば、果実の数や重さが増えるといった効果があります。乾燥や熱などストレスがかかる状況でも、植物を守り、収穫の損失を大きく減らせます。

    また、果実の品質が向上することも期待できます。アミノ酸ベースの製品を使うと、色や風味、香り、糖分がアップします。

    さらに、この製品は作物の葉や根の成長も助けてくれるため、植物が土から栄養を効率的に吸収したり、光合成がしっかり行えるようになるのです。

    基本的に、アミノ酸は作物の収量を増やしたり、植物がストレスを乗り越えるのを助けたり、果実の品質を向上させるために役立ちます。大切なのは、適切な製品を適切なタイミングで使うことです。

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