【微量要素シリーズ】鉄が作物に与える役割と欠乏症状・オススメのバイオスティミュラント

チュートリアル 更新日:

農業において、作物の健全な成長と高品質な収穫を実現するためには、さまざまな栄養素が必要です。これらの栄養素は大きく分けて「主要元素」と「微量要素」に分類されます。今回は、その中でも特に重要な微量要素の一つである「鉄」について詳しく見ていくと共に鉄補給にオススメのバイオスティミュラントをご紹介します。 

ぜひ本記事を参考にしてみてください。

【本記事で紹介のバイオスティミュラント】 

目次

    【鉄の役割】

    鉄は植物の生育に欠かせない微量要素の一つであり、主に以下のような役割を果たします。 

    [クロロフィルの合成]

     鉄はクロロフィル(葉緑素)の合成に関与しており、光合成を行うために不可欠です。光合成がうまく行われないと、植物はエネルギーを十分に得ることができず、成長が阻害されます。 

    [酵素の働き]

    鉄は多くの酵素の構成要素として機能し、代謝活動やエネルギー生成に重要な役割を果たします。これにより、植物はさまざまな生理機能を正常に行うことができます。  

    [酸素の輸送]

     鉄は酸素を運搬する役割も担っています。特に、根から吸収した酸素を植物全体に供給することが重要です。 

    【鉄欠乏の症状】

    鉄が不足すると、植物はさまざまな症状を示します。一般的な鉄欠乏の症状は以下の通りです。

    [葉の黄化]

     鉄欠乏の最も顕著な症状は、葉の黄化です。特に新葉が黄色くなり、葉脈が緑色のまま残る「葉脈間クロロシス」が見られます。これは鉄がクロロフィルの合成に必要であるため、鉄が不足すると新しい葉にクロロフィルが十分に供給されなくなるためです。 

    [成長の遅れ]

     鉄が不足すると、植物の成長が遅れ、全体的に弱々しくなります。鉄は酵素の働きに関与しているため、鉄が不足すると代謝活動が低下し、成長が阻害されます。 

    [収量の減少]

     鉄欠乏は収量の減少を引き起こし、品質の低下にもつながります。特に果実や花の発育が悪くなり、商品価値が低下することがあります。 

    【鉄の供給方法】

    鉄欠乏を防ぐためには、適切な鉄の供給が必要です。以下の方法で鉄を供給することができます。

    土壌改良

    土壌のpHを調整することで、鉄の可用性を高めることができます。酸性土壌では鉄が溶解しやすく、植物が吸収しやすくなります。逆に、アルカリ性土壌では鉄が不溶性の形態になり、植物が吸収しにくくなります。土壌のpHを適切に管理することが重要です。 

    鉄肥の使用

    鉄を含む肥料を使用することで、直接的に鉄を供給することができます。特にキレート鉄肥は効果的で、土壌中で安定して鉄を供給します。キレート鉄肥は鉄イオンをキレート剤で包み込み、土壌中での鉄の固定を防ぎ、植物が吸収しやすい形態で供給します。 

    葉面散布

    鉄を含む溶液を葉面に散布する方法もあります。これにより、速やかに鉄を植物に供給することができます。葉面散布は特に鉄欠乏が顕著な場合に有効で、迅速に症状を改善することができます。 

    【鉄の過剰供給のリスク】

    鉄は植物にとって重要な微量要素ですが、過剰に供給すると逆に害を及ぼすことがあります。鉄の過剰供給によるリスクとしては以下の点が挙げられます。  

    [他の栄養素の吸収阻害]

     鉄が過剰になると、亜鉛やマンガンなどの他の微量要素の吸収が阻害されることがあります。これにより、他の栄養素の欠乏症が引き起こされる可能性があります。 

     [酸化ストレスの増加]

     鉄は酸化還元反応に関与するため、過剰な鉄は植物細胞内で酸化ストレスを引き起こすことがあります。これにより、細胞の機能が損なわれ、植物の健康が悪化する可能性があります。 

     

    【鉄の補給にオススメなバイオスティミュラント】

    ◆テクノケルアミノMix

    鉄の補給にはバイオスティミュラントの葉面散布も効果的です。

    そこでオススメなのがTecnokel Amino Mix(テクノケルアミノMix)』です。 

    この製品には鉄が3.45%配合されており、その他にも様々な微量要素がMixされています。植物の欠乏症状や過剰症状の正確な判断は研究室で分析しないとできません。現実的に農家の皆さんができる対策としては欠乏症状にもならない過剰症状にもならない量を定期的に施用することが重要です。なので、予め様々な微量要素が欠乏状態にも過剰状態にもならないように配合されています。 

    また、製品の大きな特長はアミノ酸でキレート化されていることです。一般的に使われるキレート剤(EDTAやクエン酸などの有機酸)よりも分子が非常に細かく吸収スピードに優れています。特に葉面散布は即効性を狙って散布される方も多いので、吸収スピードが優れることは大きな製品特性です。 

    ◆使い方:月に1~2回程度100~200ml/10aを希釈して葉面散布を行ってください。 

     

    施用時はTecamin Max等の資材や農薬との混用可能です。日々の防除スケジュールの中に組み込めるので、農家さんの負担を極力避けて施用することが可能です。 

     

    【まとめ】

    鉄は微量要素の中でも特に重要な役割を果たしており、植物の健全な成長に欠かせない要素です。鉄欠乏を防ぐためには、適切な土壌管理と肥料の使用が不可欠です。農業者として、鉄の重要性を理解し、適切な対策を講じることで、作物の品質と収量を向上させることができるでしょう。 

    一方で、鉄の過剰供給にも注意が必要です。他の栄養素とのバランスを考慮しながら、適切な量の鉄を供給することが求められます。これにより、作物の健全な成長を支え、高品質な収穫を実現することができるのです。

     

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