葉面散布肥料とは?効果的な使い方とプロ農家向けおすすめ肥料を紹介

チュートリアル 更新日:

葉面散布肥料とは?効果的な使い方とプロ農家向けおすすめ肥料を紹介

「葉面散布肥料の特徴やメリット・デメリットは?」

「おすすめの葉面散布肥料があれば知りたい…」

このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。葉面散布肥料は作物の成長をサポートしてくれますが、使用方法によっては生育不良を招く恐れがあります。

そこで本記事では、以下の内容を中心に解説していきます。

  • 葉面散布肥料のメリットやデメリット
  • おすすめの葉面散布肥料
  • 葉面散布肥料を施用する際のポイントや注意点

葉面散布肥料の特徴だけでなく、おすすめのバイオスティミュラントについても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

〈本記事で紹介されているバイオスティミュラント〉

Tecamin Max(テカミン マックス) Tecamin flower(テカミン フラワー) Tecamin Brix(テカミン ブリックス) アジフォル®アミノガード® 544 アジフォル®アミノガード® 701

目次

     葉面散布肥料とは?

    葉面散布肥料

    葉面散布肥料とは、作物の葉面に直接散布するために開発された液肥です。植物は根だけでなく茎や葉、果実からも養分を吸収します。葉面散布肥料は、このような植物の性質を利用しています。根以外からも成長に必要な成分を吸収させることで、効率よく作物の生育を促すことができる肥料です。葉面散布という手法は、海外では1920年頃から微量要素欠乏対策として行なわれるようになり、日本では1955年頃から取り入れるようになったとされています。

     葉面散布肥料の特徴

    葉面散布肥料の特徴

    葉面散布肥料の特徴は、葉に直接養分を液肥するため、効率よく作物に栄養の吸収を促せることです。根傷みなどにより、作物が土壌から十分に養分を吸収できない場合、生育不良につながる可能性があります。しかし、葉面散布は葉に直接養分を行き渡らせるため、根からの吸収が上手くいかない場合でも栄養の補給が可能です。土壌以外に根から吸い上げた養分が植物全体にいきわたらないケースとして、高温障害なども考えられるでしょう。その際も、葉面散布肥料によって葉から栄養を吸収させることで、生育不良を防ぐ効果が期待できます。また、葉面散布肥料は作物の成長に合わせて施用するため、生育をコントロールできます。なぜなら、作物の状態に合わせて散布するタイミングを調整して、不足している成分を補えるからです。天候などはコントロールできないですが、葉面散布肥料なら人の手で調整ができる点もメリットと言えます。

     葉面散布肥料を使用するメリット・デメリット

    ドローンによる葉面散布肥料

    葉面散布肥料は作物の成長を促すのに効果的ですが、使用方法を理解しておかないと、生育不良を招く危険性があるため注意が必要です。

    ここからは、葉面散布肥料のメリットとデメリットについて解説していきます。

    葉面散布肥料のメリット

    まずは、葉面散布肥料のメリットについて説明します。

    • 適切なタイミングで使用できる
    • 天候不良からの回復方法として使用できる
    • 土壌環境に左右されない

    葉面散布肥料のメリットを抑えて適切に利用することで、作物の品質向上が期待できます。順番に見ていきましょう。

     メリット(1):適切なタイミングで使用できる

    葉面散布肥料は、作物が栄養を必要としているタイミングで使用が可能です。固形肥料の場合は土への施用が一般的であるものの、根が栄養を吸収するのは時間がかかります。特に天気や湿度などは予想がしにくく、土壌環境によってバラつきも生まれるため、施肥を行うタイミングの見極めが難しいです。一方で、葉面散布肥料であれば作物の様子を見ながら、必要に応じて栄養を与えられます。また、葉面散布肥料は即効性が高く、吸収スピードも早いとされています。そのため、固形肥料のデメリットを補う使い方が可能です。

     メリット(2):天候不良からの回復方法として使用できる

    大雨や台風など、天候による影響で作物が弱ってしまった際の対処法としても、葉面散布肥料は有効です。雨で土壌に水が溜まると、根っこ周辺の排水性が低下してしまい、作物が呼吸しにくい環境になります。この状態で土に液体肥料を施用しても、満足に栄養を吸収できないだけでなく、根腐れにつながる恐れがあります。土壌の水分量が増えて、根のコンディションが良くない場合でも、葉面散布肥料であれば葉から必要な栄養の吸収が可能です。そのため、大雨により被害を受けた作物の状態を、回復する役割が期待できます。

     メリット(3):土壌環境に左右されない

    土壌環境に左右されず、均一に散布できることも葉面散布肥料のメリットです。同じ敷地内であっても日当たりや風向き、土質などの細かい条件により土壌環境が均一とならず、作物の成長に差がでてしまうことも考えられます。葉面散布肥料であれば敷地全体の葉に、均一に散布できます。作物の成長に差がある場合は、肥料の成分や量の調整も可能です。そのため、作物の状態に差が出にくくなり、管理と収穫を安定させられます。

    葉面散布肥料のデメリット

    葉面散布肥料のデメリットは、以下の2点です。

    • 肥料焼けのリスクがある
    • 持続的な効果が見込みにくい

    使用方法によっては、作物の生育不良を招いてしまうことも考えられるため、事前に特徴を把握しておきましょう。1つずつ解説していきます。

     デメリット(1):肥料焼けのリスクがある

    暑い日に葉面散布を行うと、肥料焼けを起こす可能性があります。なぜなら、気温が高い日は葉面散布を行ったあとに水分だけ蒸発してしまい、葉に残った液肥が原因で葉焼けを起こしてしまうからです。また、雨が降った後などは葉面散布を行なっても、葉についた水滴と一緒に液肥が流れてしまいます。そのため、雨が多い梅雨の時期から、気温が上がる6〜7月は特に注意が必要です。葉面散布肥料を施用する際は、気温が上昇する日は避けるなど、天候を見ながら行うようにしましょう。

     デメリット(2):持続的な効果が見込みにくい

    葉面散布肥料は即効性がある反面、効果が持続しにくい傾向にあります。なぜなら、葉面だけだと吸収できる量が限られるからです。そのため、施用する回数は固形肥料より増えます。また、以下のような多量要素は、葉面散布だけで補うことが難しいとされています。

    • 窒素
    • リン酸
    • カリ

    あくまで、施肥の基本は固形肥料の土壌施用です。葉面散布肥料だけでなく、固形肥料と組み合わせて施用すると認識しておきましょう。

     【プロ農家向け】葉面散布肥料のおすすめ肥料・農業資材

    葉面散布肥料のおすすめ肥料・農業資材

    葉面散布肥料にはいろいろな種類があり、どの製品を使用すれば良いか悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、味の素グループの独自技術を活用した農業資材を紹介します。

    Tecamin Max「葉、茎の生育促進に」

    Tecamin Max「Tecamin Max」は、各種アミノ酸、特に植物の生育に必要なタンパク質をつくる、グルタミン酸を豊富に含むバイオスティミュラントです。高濃度アミノ酸が、作物のストレスを軽減する効果が期待できます。根からの養分吸収が弱いと感じたり、農薬と混用で効率的な葉面散布を行いたい場合におすすめです。「Tecamin Max」の使用方法や作物への施用事例は、以下のリンク先で詳しく紹介しています。

    >>Tecamin Maxの詳細はこちら

    Tecamin Flower「花芽の充実に」

    Tecamin Flower」「Tecamin Flower」は、花芽の充実や着果の向上をサポートするバイオスティミュラントです。遊離アミノ酸の他にリン酸やホウ素、モリブデンが加えられており、作物の生殖成長や開花の調整を行う効果が期待できます。高温時のストレスによる着花不良や、落花を抑えたい場合におすすめです。「Tecamin Flower」の使用方法や作物への施用事例は、以下のリンク先で詳しく紹介しています。

    >>Tecamin Flowerの詳細はこちら

    Tecamin Brix「作物サイズ、糖度、着色の向上に」

    Tecamin Brix「Tecamin Brix」は、作物の糖量や着色促進をサポートするバイオスティミュラントです。海藻エキスにカリ・ホウ素が加えられており、作物のサイズアップが期待できます。糖量を増やしたり着色を良くさせたりなど、果物の成長を促進させたい場合におすすめです。「Tecamin Brix」の使用方法や作物への施用事例は、以下のリンク先で詳しく紹介しています。

    >>Tecamin Brixの詳細はこちら

    アジフォル®アミノガード®アジフォル®アミノガード®「アミノ酸、ミネラルの補給に!」

    「アジフォル®アミノガード®」は、高濃度のアミノ酸や植物由来成分などを豊富に含んだバイオスティミュラントです。アミノ酸の補給で作物のストレスを軽減し、生育不良の改善効果が期待できます。根からの養分吸収が弱いと感じたり、作物の生育が悪いと感じた場合におすすめです。「アジフォル®アミノガード®」の使用方法や作物への施用事例は、以下のリンク先で詳しく紹介しています。

    >>アジフォル®アミノガード®の詳細はこちら

     葉面散布肥料の使い方のポイント

    葉面散布肥料の使い方のポイント

    ここでは、葉面散布肥料の使い方について解説します。抑えておきたいポイントは、大きく分けて3つあります。

    • 散布機械を使用する
    • 適正濃度に調整して散布する
    • タイミングは朝に行う

    葉面散布肥料の効果をより高めるために、きちんと把握しておきましょう。

    ポイント①:散布機械を使用する

    葉面散布肥料を施用する際は、散布機械を使用しましょう。それらを使用することで、均一にムラなく葉面散布肥料を浸透させられるためです。葉面散布を行う際は、直接葉に吹きかけましょう。

    ポイント②:適正濃度に調整して散布する

    葉面散布を行う際の液肥は、必ず適正濃度に調整しましょう。散布肥料が適正濃度でなかったり、強い日差しが出ているときに行うと、高濃度になりやすく葉焼けを起こす恐れがあります。また、若葉の方が吸収力も高く高濃度障害になりやすいと言われているので注意が必要です。

    ポイント③:タイミングは朝に行う

    葉面散布肥料を施用するタイミングは、植物の活動が活発化するとされている朝がおすすめです。ただし、朝露が残っている場合は散布しても葉に浸透しにくくなるため、乾いてから行います。朝同様に夕方も気温が低いタイミングではあるものの、葉面散布を行うと液肥が乾かずに残ってしまい、作物の病気を助長する可能性があるため避けましょう。

     葉面散布肥料のまとめ

    葉面散布肥料のまとめ

    本記事では、葉面散布肥料の特徴から、施用時のポイントまで解説しました。葉面散布肥料は、固形肥料と組み合わせて施用することで作物の成長をサポートしてくれます。どれだけ繊細に土壌環境を整えても、天候不順により作物が悪影響を受けてしまうこともあるでしょう。良質な作物をつくるには、肥料を含めた土壌環境と生育管理が求められます。その際は、ぜひ味の素グループの葉面散布肥料を活用いただき、作物の生産性向上を手助けできれば幸いです。

    1件のコメント

    ドローンを買おうか本当に迷い中。葉面散布肥料をドローンでまいても、効果は変わらないよね…?

    悩み中...

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