【プロ農家向け】水稲の栽培方法とおすすめ肥料・農業資材

施用方法 更新日:

「水稲の生産量を増やす育て方が知りたい」

「水稲栽培において生育が進まず課題を感じている」

「水稲栽培に役立つ農業資材の選び方がわからない」

このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。水稲は生育期間が長いため、播種から育苗期間の管理はもちろん、田植え後の施肥や防除など気を遣わなければならないポイントが多々あります。

そこで本記事では、以下の内容を中心に解説します。

  • 水稲の作り方や栽培スケジュール
  • 水稲の育て方における注意点
  • 水稲栽培の手助けとなる農業資材

水稲の育て方はもちろん、生育を促進させるバイオスティミュラントについても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

〈本記事で紹介されているバイオスティミュラント〉

早根早起 アミハート® Tecamin Max(テカミン マックス) Tecamin flower(テカミン フラワー)

目次

     水稲栽培の時期・栽培歴

    出典:農林水産省 ⽔稲栽培のポイント https://www.maff.go.jp/j/seisan/gijutsuhasshin/techinfo/attach/pdf/suitou-2.pdf

    一般的な水稲栽培の流れは5月頃から播種を行い、植え付けや管理を経て10月頃に収穫します。

    お米は陸稲と呼ばれる畑や陸で栽培される方法もありますが、日本では水稲が主流です。また、お米づくりには直播きと移植の2つの栽培方法があるものの、現在はほとんどが移植栽培で行われています。

    水稲の育苗はわずか1ヶ月ほどで行われますが、昔から「苗半作」という言葉があるように、その重要性が叫ばれています。苗の良し悪しは水稲の収穫量や品質に大きく影響を及ぼすため、育苗時の管理が重要です。

    また、米の収量を大きく増やすには、スケジュール管理もポイントです。水稲は品種がたくさんあり、品種の組み合わせ次第では収穫時期を分散させられるため、安定した収穫量が確保できます。

     水稲の栽培方法

    水稲の栽培方法に関して、大きく以下の5フェーズに分けて紹介します。

    • 播種
    • 育苗
    • 植え付け(田植え)
    • 管理
    • 収穫

    良質な稲を育てるために、参考にしていただければ幸いです。

     ①播種

    まずは、発芽しやすい種籾を選ぶために選種を行いましょう。選種は一般的に「塩水選」と呼ばれる手法で行われます。1.13の比重(水10Lあたり食塩が約2.2kg)で調整した塩水に種籾を入れて、良くかき混ぜます。その後、水面に浮いた籾は取り除き、下に沈んだ籾を播種に使用しましょう。

    選種した種籾には病原菌の付着が懸念されるため、薬剤液に1〜2日ほどつけて消毒を行います。消毒後は数時間ほど陰干しした後で、水洗いせず浸種します。

    播種の準備が整ったら育苗箱に新聞紙を敷き、床土を詰めて厚さが2cmになるよう整えましょう。床土を詰め終えたら、準備した種籾をムラなく撒きます。撒き終わった後は水やりを行い、5mmほどの厚さで覆土します

     ②育苗

    播種後は以下の行程を通して、育苗の管理を行います。

    • 出芽
    • 緑化
    • 硬化

    出芽時は温度を30℃に調整し、2〜3日ほどかけて芽の長さを8〜10mmまで伸ばします。この長さを超えると病害に弱くなり、短すぎると生長後の苗丈不足に陥る可能性があるため注意が必要です。

    緑化は、出芽した苗を日光や気温に慣らしていく行程です。育苗箱で出芽させた種が出揃ったら2〜3日ほど光を当てます。苗の高さが約3cmほどに達し、葉が緑色になったら硬化の行程に移ります。

    硬化は、緑化直後に苗を低温に慣らしていく行程です。田植えの際、苗が温度の変化に対応できずに生育停滞(植え傷み)しないようにするのが目的です。

    それぞれの工程を経て、播種から1ヶ月後には育苗箱内で根が絡み合いマット状になることで、植え付けに適した苗が出来上がります。

     ③植え付け(田植え)

    硬化期を経て成長した苗は、代掻き後の水田に移植します。代掻きは、田面を平らにして漏水を防ぐことで、移植を容易にするための作業です。また、代掻きすることで肥料を土壌に吸着させて、流亡を防ぐ効果も期待できます。代掻き後は土壌を落ち着かせるために、3日ほど経過してから植え付けましょう。

    植え付ける際の間隔は、1坪あたり50〜70株で行います。極端な疎植は穂数や籾数の確保が不⼗分となり、収量の向上が期待できません。出穂が遅れて穂揃いも悪くなりやすいため、地域別の基準株数を守りましょう。

    また、植え付けの深さは3cmが目安です。浅すぎると浮き苗が増えてしまい、深すぎると分げつ数が少なくなり収量の減少につながります。

     ④管理

    田植え後に行う管理のポイントは、大きく分けて以下の3つです。

    • 水の管理
    • 追肥
    • 防除

    田植え後は、活着するまでは水深3〜4cmの深水状態を保つことで、低温や風による生育障害を回避できます。活着後は水深2〜3cmのやや浅水とし、水温の上昇を図ることで分げつの早期発生を促しましょう。

    最高分げつ期に入った後は田んぼから水を抜き、土表面に亀裂が出るまで7~10日ほど

    干す「中干し」と呼ばれる作業を行います。中干しを行うことで、酸素が供給され根が健全な状態に保たれ、無効分げつの発生を抑える効果も期待できます。

    稲の生育状況を見ながら、必要に応じて肥料を施用しましょう。肥料は窒素を中心に、カリやリン酸を適量施します。田植えの2〜3週間後に施用して分げつや葉面積を増やしたり、出穂後に施して実りを良くしたりすることで収量増につながります。

    生育状況を管理するうえで、防除も欠かせないポイントです。雑草には、除草剤や除草機を使用して対処しましょう。

    また、水稲の病害虫で気を付けたいのが、ジャンボタニシです。ジャンボタニシは食欲旺盛で繁殖力が高いため、放置しておくと根こそぎ苗を食べられてしまいます。稲の茎などに赤い卵を産み付けますが、この卵は水中だと孵化できないため、見つけたら水の中に落とします。ただし、赤い卵には神経毒があるため、素手で触らないように気をつけましょう。

     ⑤収穫

    品質が良く良食のお米をつくるには、適期での収穫も重要です。早すぎると青米や未熟粒の混入が増えて収量の減少につながります。一方で、遅すぎると米にひびの入った胴割米が増えて品質低下を招きます。

    稲の収穫は実入りが進み、穂が黄金色になったタイミングが適期です。穂首の近くに青味のある籾が、少しだけ残った状態が目安です。

    収穫はコンバインを使用することで、刈り取りと脱穀を同時に行えます。鎌を使用した人力での刈取りも可能ですが、昨今ではコンバインなどの機械を使用した収穫が主流です。

    収穫した籾は多くの水分を含んでいるため、一度乾燥させます。その後は、専用の機械を使用して籾殻を取り除き玄米にするもみすりと、整粒と屑米の選別作業を行います。

     プロ農家向け水稲栽培のおすすめ肥料・農業資材

    水稲栽培は播種から収穫の間にさまざまな問題が発生します。特に、天候による生育への影響は人の手でコントロールできません。

    そこで、水稲の成長を促進させるための手助けとなるのが、味の素グループの農業資材です。ここでは、味の素グループで取り扱っているバイオスティミュラントを例に、肥料・農業資材の効果を紹介します。

     早根早起®「徒長しない丈夫な苗づくりを」

     

    効果

    水稲における苗の生育や活着促進を図るのであれば早根早起®がおすすめです。早根早起®は苗が徒長しにくいように核酸やキレート鉄、窒素などが配合されています。

    早根早起き®に含まれる上記成分の作用によって以下のような効果が期待できます。

    • 丈夫な根を育成したい
    • 苗の根はりを良くしたい
    • 移植や定植時の活着を改善させたい

     施用事例

    早根早起®の施用で、水稲における根はりの良化事例があります。育苗時に500倍の希釈液を施用した際の結果が以下の写真のとおりです。

    早根早起®の施用により根張りが促進され、水稲の苗に良い影響が見られました。

     使用方法

    施用の際は、育苗期や田植え前日に500倍に希釈した液を施用します。施用回数は2〜3回が目安です。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈時によく攪拌し、溶解してから使用する
    • アルカリ性資材やその他農薬などとの混合は避ける
    • 希釈した液は保存せずに、その日のうちに使い切る

    >>早根早起®の詳細はこちら

     アミハート®「丈夫な根の生育に」

     

    効果

    水稲の発根を促進させるのであればアミハート®もおすすめです。アミハート®は単分子の核酸を豊富に含んでおり、吸収の良さが特徴です。

    アミハート®に含まれる上記成分の作用によって以下のような効果が期待できます。

    • 根はりを良くしたい
    • 成り疲れを予防したい
    • 作物の生育を促進させたい

     施用事例

    アミハート®の施用で、水稲の発根を促進させた事例があります。中干し後の入水時に、アミハート®4.2L/10aを水口から流し込んだ際の結果は、以下の写真のとおりです。


    アミハート®の施用により発根が促進され、水稲の苗に良い影響が見られました。

     使用方法

    施用の際は、中干し後または幼穂形成期に10aあたり4L(5kg)を水口から流し込みます。使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈時によく攪拌し、溶解してから使用する
    • 孔径0.2mm以下の灌水チューブを使用する際は、フィルターを通す
    • 希釈した液は保存せずに、その日のうちに使い切る

    >>アミハート®の詳細はこちら

     Tecamin Max「天候に左右されずに作物の生育をよくする」

     

    効果

    水稲を天候に左右されないよう育て上げるには、Tecamin Maxがおすすめです。Tecamin Maxは、各種アミノ酸が豊富に含まれているのが特徴です。なかでも作物のタンパク質合成に大きくかかわるグルタミン酸が、樹勢回復や維持に大きく貢献します。

    Tecamin Maxに含まれる上記成分の作用によって、以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く葉面散布をしたい
    • 曇りの日が続き作物の生育が悪い
    • 暑熱期に苗質を維持したい

     施用事例

    Tecamin Maxと早根早起®の施用により、水稲の収穫量が増加した事例があります。早根早起®を500倍に希釈した液を育苗期に2回、Tecamin Maxの原液100ml/10aを、開花後の防除時にドローンで1回施用した際の結果は、以下の写真のとおりです。

    Tecamin Maxの施用により、収量の増加が見られました。

     使用方法

    水稲の場合は、Tecamin Maxを幼穂形成期から登熟期にかけて施用します。スプレイヤーであれば10aあたり200ml、ドローンであれば10aあたり100mlを希釈して葉面散布します。施用回数は生育具合によりますが、2〜4回が目安です。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 生育具合に合わせて施用量や回数、希釈倍率を調整する
    • ミネラルの多い資材と併用する際は沈澱が生じないか確認する
    • 高温時には使用せず、使用前にはよく振る
    • 希釈液はその日のうちに使い切ってしまう

    >>Tecamin Maxの詳細はこちら

     Tecamin Flower「穂を充実させて不稔子実減を図る」

     

    効果

    水稲の穂を充実させて不稔子実減を図るには、Tecamin Flowerがおすすめです。Tecamin Flowerに含まれる遊離アミノ酸やリン酸、モリブデンなどの成分が、穂の充実や不稔子実減につながります。

    Tecamin Flowerに含まれる上記成分の作用によって以下のような効果が期待できます。

    • 穂を充実させたい
    • 高温時のストレスによる着花不良、落花を抑えたい
    • 栄養成長から生殖成長への切り替えを促したい

     施用事例

    Tecamin Flowerは、水稲以外にさまざまな作物で施用が可能です。例として、トマトの着果数の増加があります。10aあたり300ml希釈した葉面散布剤を、トマトの開花初期とその21日経過後の2回散布した結果は、以下の写真のとおりです。


    慣行エリアとTecamin Flower施用エリアを比較するとトマトの着果数が5%増え、収量にも増加がみられました。

     使用方法

    水稲の場合は、Tecamin Flowerを開花初期に施用します。スプレイヤーであれば10aあたり200ml、ドローンであれば10aあたり100mlを希釈して葉面散布します。施用回数は着蕾期と開花初期に1〜2回が目安です。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 酸性資材のため、アルカリ性の資材と混用する際は少量から試してみる
    • ミネラルの多い資材と併用する際には沈澱が生じないか確認する
    • 高温時には使用せず、使用前にはよく振る
    • 希釈液はその日のうちに使い切ってしまう

    >>Tecamin Flowerの詳細はこちら

     植物の肥料・農業資材でお悩みの農家様へ

    味の素ヘルシーサプライ(株)では、本記事で紹介した農業資材に限らず長年の研究で培った独自技術を利用した、バイオスティミュラントを取り扱っています。植物の生育に関しては、天候不順など人の手でコントロールが難しい問題も発生することでしょう。

    味の素ヘルシーサプライ(株)が取り扱っているバイオスティミュラントは、発根促進から収穫前まで、作物の生育を促す農業資材が揃っています。水稲だけでなく、さまざまな作物に施用できるため、農家様の課題やニーズに合ったソリューションのご提案が可能です。

    >>製品・サービス一覧

     水稲栽培のまとめ

    本記事では、水稲の作り方や、栽培に役立つ味の素グループのバイオスティミュラント活用方法を解説しました。水稲は播種から収穫まで日数がかかるため、生育管理において気を遣わなければならない点が多岐にわたります。

    近年では天候不順などにより、水稲はもちろん作物の生育において求められる対策が増えています。水稲栽培においては、ぜひ味の素グループのバイオスティミュラントを活用いただき、作物の生産性向上を手助けできれば幸いです。

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