【プロ農家向け】豊かな実りは丈夫な苗から 育苗のコツとおすすめバイオスティミュラント

施用方法 更新日:

「失敗するのが怖くて苗を買ってしまう」

「育苗のやり方が難しくてよくわからない」

「苗が徒長して上手く育てられない」

このようなお悩みを抱えていませんか? 農業は「苗半分」と言われるぐらい、苗の出来がその作を左右する重要な作業です。良い作物の生育には、丈夫で良い苗作りが欠かせません。

本記事では「育苗のメリット」を振り返りつつ、育苗方法や育苗のコツ、育苗期に合わせて施用したいおすすめのバイオスティミュラントについて紹介します。

ぜひ本記事を参考にしてみてください。

【本記事紹介のバイオスティミュラント】

早根早起

目次

    育苗とは?

    育苗とは、圃場に種を直接撒いて育てるのではなく、育苗トレイやポットなどの容器で移植に適した生育ステージまで保護し、育てることをいいます。

    圃場とは別のハウス等の、育苗に適した環境が整備されている場所で育てることによって、高温や干ばつ、長雨といった環境ストレス受けにくくなり、丈夫でシッカリとした苗を育てることができます。

    育苗のメリット

    育苗するメリットを大きく3つご紹介します。

    • 環境リスクに晒されることなく、管理がしやすい
    • 病気や害虫リスク低減
    • 定植に適した苗を選んで植えることができる

    1.環境リスクを抑え、管理がしやすい

    種を圃場に直接撒くと、干ばつや豪雨によって発芽しにくくなったり、鳥害の被害にあったりするなどのリスクが高まります。そういったリスクを抑えることが可能な室内で育苗を行うので、少ない労力でも自然環境から苗を守ることができ、種子は理想的な条件下で成長を始め、より健康な苗を育てることが可能となります。

    また、温度管理することで通常では発芽しにくいような時期でも育苗することが可能です。

    2.病気や害虫リスク低減

     育苗中の苗は抵抗力が弱いため、病気や害虫に対するリスクが高くなります。育苗期に感染・発病を確認した場合は、早めに取り除かないと他の苗に伝染してしまうため注意が必要です。作物の生育状況に合わせて、消毒なども行いましょう。

     また、苗自体の抵抗力をつけるためには、適切な栄養を吸収させる必要があります。作物と生育状況に合わせて、タイミングと施用量に配慮しながら、育苗期の管理を行っていきましょう。

    3.移植に適した苗を選んで植えることができる

    種には個体差があり、全ての種が発芽するわけではなく、また発芽したものが順調に生育するとは限りません。育苗をすることで、生育不良を起こしている苗を間引き、健全に生育が進んでいる良い苗のみを選別して植え付けることができます。

    また、育苗することで移植時には生育が進んでいるので、雑草よりも生育が進み、負けて生育不良を起こすリスクを低減することができます。

    生育が揃っている苗を選ぶことで、移植後も生育が揃った状態で進みやすくなります。苗の生育にバラつきがあると栽培管理がしにくくなってしまうため、収量や品質低下の原因となります。

    育苗の手順とコツ7選

    1.定植日を予めおおよそ決め、逆算して播種日を設定する

    作物や品種によって作型や育苗日数が異なるため、よく確認して計画的に播種します。

     特に季節に合わせた品種を選定しないと、本圃に定植した後の生育が健全に進みません。

    2.播種前に培土にしっかり灌水する

    一般的に育苗用培土は乾燥した状態で販売されています。湿度を持つ育苗用培土でも開封後は少しずつ乾燥し始めます。乾燥した培土は灌水時に水を弾いてしまうので、土が浮いて流亡し灌水ムラが出ます。予め培土にしっかりと水分を含ませてから播種をするようにしましょう。

    3.作物に適した深さに播種する

    一般的には種の大きさの2〜3倍の深さに播種することが適当であるといわれています。それぞれ作物別に適した深さを事前に確認しましょう。深すぎると発芽まで時間がかかります。また、深さが均一でないと発芽する時期にもバラつきが発生します。入れる培土の量が多く、播種穴が深くなりがちな育苗ポットに播種する場合は、深くなりすぎないように注意が必要です。

    4.覆土したら灌水する

     播種後に種が隠れるように覆土したら、容器の底の穴から水が流れるぐらいの量でたっぷりと灌水してください。

    せっかくの培土が流れ出てしまうため、一度にたくさん灌水するのではなく、覆土した培土が浮く直前で止め、複数回にわけて灌水します。コーヒーを淹れる時のお湯をイメージすると分かりやすいです。

    5.乾きに注意し、温度管理をしながら発芽させる

    発芽の揃いを良くするために、覆土後にした灌水を乾かさないように水管理を行います。表面が灌水のし過ぎは種子の腐敗を巻き起こし、発芽率の低下につながります。

    発芽後は、すみやかに日光に当てましょう。日光に当てないと徒長し、白くヒョロヒョロしたもやしのような苗になってしまいます。ただし、真夏は土が乾きやすく、苗が焼けてしまうので直射日光は避けてください。

    発芽するまでの地温管理も重要です。発芽適温は種の入っている絵袋に書いてあるので、育苗培土の地温がその範囲内になるように管理しましょう。

    6.発芽後は灌水のタイミングと量が重要

    日中に水分が足りないと枯れてしまうので要注意です。灌水のタイミングは朝にしっかりと行います。セルトレイの場合、角のフチの部分が特に乾きやすいのでしっかりと意識して灌水してください。フチが乾いていても内側の苗は乾いていないことが多いため、内側はサッとやるぐらいのイメージでOKです。

    また、日中は水温が高くなり過ぎて苗を傷める可能性がでてきます。ホースの中の水が冷たくなるまで水を出してからたっぷりと与えましょう。

      暑い時期は灌水した水で苗が茹ってしまうので、日中の灌水は必要以上にしないようにしましょう。

    一方、寒い季節の早朝は、水温がかなり低いので注意が必要です。冷たすぎる水も根にダメージを与えます。同様の理由で夕方に灌水する場合、土を湿らす程度にしましょう。

     生育ステージ別ですと、発根量が少なく吸水量の少ない生育初期は、灌水を控えめにして過湿を防ぐようにします。一方、発根量が進み吸水量が増えてきたら乾きやすいので注意してください。

    7.定植適期を逃さず移植する

     定植適期の目安は、種の入っていた絵袋の栽培暦に記載されています。苗を引き抜いた時に、培土が崩れずそのまま付いてくる程度に根が回っていたら定植可能です。適期を過ぎるとだんだんと「老化苗」となり、活着率が悪くなり捕植が必要となると栽培計画が崩れてしまうので、移植先の準備を計画的に進めておくことが重要です。

    育苗期におすすめのバイオスティミュラント

    圃場への直播きと比較して管理がしやすいのが育苗の大きなメリットですが、根張りが上手くいかない、苗が期待しているような生長を見せないなど課題は出てくるかと思います。そんなお悩みの解決の一助として、育苗期に使える味の素グループのバイオスティミュラント資材をご紹介します。

    早根早起®「根張りのよい丈夫な苗に育て上げる」

    早根早起®は、育苗や苗の活着促進に有効な液体肥料です。早根早起®には以下の成分が含まれており、徒長しない丈夫な苗の育成が可能です。

    • 核酸
    • キレート鉄
    • 窒素
    • リン酸
    • カリ

    発根や根の伸長を促進する核酸や、光合成に必須の成分である鉄が作物の丈夫な地下部の形成に貢献します。また、窒素・リン酸・カリをバランスよく配合しているため、植物体内のC/N比の改善も期待できます。葉色がよく、葉肉の厚い苗に育てたいとお考えの方におすすめの液体肥料です。

    [施用事例] 

    早根早起®を用いた施用事例として、水稲の根の再生促進が挙げられます。早根早起®の500倍希釈液を、1ヶ月育苗した水稲苗に施用した翌日に根を切断し、純水を入れたビーカー内で培養しました。

    無処理区と「早根早起®」区で比較すると、写真右側のように後者の方が根の再生が早まることが確認できました。このことから、移植時に受けた損傷や害虫による食害などからの、早期の回復が期待されます。

    [使用方法]

    水で500倍に希釈した液体を、作物の生育段階における以下のタイミングで施用します。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈液がジョウロや散水器などの内部に残留しないよう使用後は洗い流す
    • 使用する機器の目が細かい場合、目詰まり防止のためのフィルターを取り付ける
    • アルカリ性資材や農薬との混用は避ける
    • 希釈液はその日のうち使い切る             

    >>早根早起®の詳細はこちら

    まとめ

    本記事では、育苗の方法や、育苗に役立つ味の素グループのバイオスティミュラント活用方法について解説しました。育苗で丈夫な苗を作っておくことで、その後の管理の負担や収穫までの失敗のリスクを軽減することができます。

    丈夫な苗づくりの基本をマスターすることで、さまざまな作物に応用できるため、栽培の幅を広げることにもつながります。

    味の素グループのバイオスティミュラントは、非生物的なストレスの軽減や各栽培ステップにおいて必要な栄養素の補給に効果的です。本記事の内容を参考にして育苗に挑戦してみてください。

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