バイオスティミュラントの特徴と具体的な効果について

チュートリアル 更新日:

「バイオスティミュラントを使うと肥料や農薬は不要になるの?」「どのような作物、土壌で効果があるのか知りたい」

「病害虫や高温などの対策になるなら使いたい」

農業生産の現場は、異常気象による被害や化学肥料・農薬による環境問題など様々な対応が求められています。また農業者の高齢化による担い手不足などの問題もあり、安定して生産活動を行うことが難しくなってきています。

バイオスティミュラントは、このような農業生産現場の課題解決の1つとして注目を集めている資材です。バイオスティミュラントは、これまでの肥料や農薬中心の農業からの転換を図り、作物本来の力を引き出すことで、安定的な生産を実現する資材として期待されています。

そこで本記事では、バイオスティミュラントの特徴と具体的な効果について解説します。農作物の安定生産に課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

     バイオスティミュラントとは

    バイオスティミュラントとは、日本バイオスティミュラント協議会の定義によると「植物に対する非生物的ストレスを制御することにより気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術」です。

    作物は元々の性質により収穫できる最大量が決まっていますが、気候や土壌の影響を受けて、本来持っている生産能力が減少します。

    これまでの農業技術では、肥料による栄養補給や農薬を用いた病害虫対策によって、収量減を抑えてきました。バイオスティミュラントは、収量減になる要因の中でも高温や干ばつなど、非生物的なストレスに対する抵抗力を高める資材として注目されています。

    出典:バイオスティミュラントとは?|日本バイオスティミュラント協議会

     バイオスティミュラントの特徴・具体的な効果

    バイオスティミュラントは、非生物的なストレスを軽減させる効果がある資材です。非生物的なストレスを軽減させるためには、効率の良い栄養吸収など、生育に必要な能力を高めることが大切です。ここでは、バイオスティミュラントの主要な6つの特徴・具体的な効果について解説します。※下記はあくまで主要な特長・効果であり全てのバイオスティミュラントの特長・効果を抜け漏れなく説明しているわけではありません。

     1.植物生理活性物質(生育促進物質)の供給

    バイオスティミュラントには、アミノ酸、植物エキス、天然由来の有機化合物等を含む植物生理活性物質を作物に供給する効果があります。これらは成長ホルモンの生成を助けたり、タンパク質合成に用いられる酵素を生成し生体内化学反応を促進したりします。

     2.根の発達と吸収力の向上

    作物の成長には、根が重要な役割を果たします。根は土壌から水分や栄養素を吸い上げて、作物に供給する役割を担う器官です。
    バイオスティミュラントは根の成長を促進させることで、作物がより多くの水分や栄養素を吸収しやすくさせる効果があります。
    また、発根自体を促すだけでなく、菌根菌によって土壌の中に菌糸を張り巡らせて栄養素や水分の吸収を助ける製品や、病原体や害虫の生息を制御する土壌改良資材もあります。

     3.ストレス耐性の向上

    バイオスティミュラントは、成長過程における以下のストレスへの抵抗力を高める効果があります。

            • 乾燥
            • 塩分
            • 低温
            • 高温
            • 病気

    バイオスティミュラントを使用することで、光合成機能の改善や発根が促され、作物のストレスへの抵抗力が高まるためです。成長に必要な器官が健全に成長していなかったり、土壌が十分な栄養を共有できていなかったりすると、作物が弱ってストレス耐性も低くなります。

     4.光合成の促進

    バイオスティミュラントには、作物の光合成プロセスを活性化させる効果が期待できます。光合成は、光によって作物の成長に必要な養分を作り出す重要な機能です。
    バイオスティミュラントの生物として活用されている「植物エキス」や「アミノ酸」などは、光合成の働きを促進・安定化させる効果があります。

     5.害虫や病気への抵抗力の向上

    バイオスティミュラントを使用すると、作物が本来持っている免疫力を高め、病害虫や病気への抵抗力を高めることが可能です。また、細胞壁の強度を高め、病原体の侵入を防ぐ効果も期待できます。
    作物は元々、様々なストレスに対する抵抗力を持っています。しかし、作物は成長不全などによって弱っている場合には、病害虫や気象変動に抵抗できません。バイオスティミュラントは、作物の各器官を健全に成長させることなどによって、抵抗力を上げることが可能です。

     6.土壌環境の改善

    バイオスティミュラントは、土壌内の有用な微生物を活性化させるなどの土壌環境を改善する効果があります。
    土壌環境は、根の発育や作物への栄養供給の面から、作物の成長にとって重要です。バイオスティミュラントの使用は、微生物の活発化による必要なアミノ酸などの栄養素の生成促進や、土壌中の病原体や害虫発生の抑止などの効果が期待できます。

     バイオスティミュラントの7つのメリット

    バイオスティミュラントには、作物の成長促進や非生物的なストレスを軽減するなど様々な効果があります。バイオスティミュラントを使用する効果をまとめると、以下の7つとなります。

    • 植物の成長促進と収量の向上
    • 収量増のための特定の効果を発揮
    • 根の発達と栄養吸収の増加
    • 土壌環境の改善、微生物活性の向上
    • 環境ストレスに対する耐性の向上
    • 光合成の活性化とエネルギー生成の増加
    • 害虫や病気に対する抵抗力の強化

    作物の栽培には、これまで肥料や農薬などの農業資材が中心に利用されてきました。しかし、化学肥料や農薬は即効性はあるものの土壌の疲弊につながるうえ、作物の耐性自体を向上させる資材ではありません。

    バイオスティミュラントは、作物の成長を助け、本来持つ能力を最大限に引き出すことに特徴があります。肥料や農薬と並用しながら、バイオスティミュラントの効果を確かめてみてください。

     古くて新しいバイオスティミュラントの歴史

    バイオスティミュラントは、決して新しい技術ではなく、昔から利用されてきた微生物や植物由来の物質を活用した資材です。

    世界で見ると古代ローマ時代には、動物由来成分の「魚の内蔵」や「動物の排泄物」が利用されていました。魚の内蔵や骨は、日本でも「魚かす」肥料として古くから利用されています。

    また、土壌の微生物を活性化させるための、落ち葉や動物の糞尿などの有機物は、鎌倉時代の頃から現在まで有機物堆肥として一般的に利用されている資材です。

    農業において微生物は、土壌内の栄養素を豊かにして作物の成長を助けます。しかし、化学肥料が発明されてからは即効性や使いやすさが重視され、大規模な農業ではあまり有機物は肥料として利用されなくなってきた経緯があります。

    しかし、近年バイオテクノロジーの発展により、微生物や有機物の有効成分を効果的に抽出することが可能になり、バイオスティミュラントの研究開発が進んできました。

    また大量の化学肥料や農薬を使う農業は、土壌汚染などの環境問題や食品の安全の懸念が高まり、持続可能な生産方法への転換が迫られています。このような背景から、バイオスティミュラント製品の活用は今後より注目を集めることになるでしょう。

     バイオスティミュラントの活用法

    バイオスティミュラントは、肥料や農薬と併用しての利用が基本です。バイオスティミュラントは肥料や農薬に完全に代替する資材ではなく、補完的な製品と捉える必要があります。

    NPKの三大栄養素など、主要な栄養素をバイオスティミュラントだけで補給することは困難です。また病害虫対策においても、バイオスティミュラントだけで確実に抑えることはできないため、農薬と併用することが必要でしょう。

    バイオスティミュラントの効果は、作物の種類や土壌の状態など様々な面で影響を受けます。肥料や農薬と併用しながら、適切なバランスを検討すると良いでしょう。

     まとめ

    本記事では、バイオスティミュラントの特徴や効果について解説しました。バイオスティミュラントは、作物の成長促進や非生物的なストレスの軽減に効果が期待できる資材です。

    ただし、肥料や農薬と完全に代替できる製品ではありません。肥料や農薬と併用しながら、自身が栽培する作物や土壌に合わせて、バランスを考えながら活用してみてください。

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