バイオスティミュラントの種類と効果的な活用方法

チュートリアル 更新日:

「バイオスティミュラント製品は数多くあるけど、どうやって選べば良いのかな?」

「野菜の収量を上げるために、新たな資材を探している」

「バイオスティミュラントの効果や的な使い方が知りたい」

バイオスティミュラントは、作物の成長促進や病害虫の被害を軽減する効果があります。しかし、一口にバイオスティミュラントと言っても機能や原料は様々で、どの製品を選べば良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、バイオスティミュラントの種類と効果的な活用方法について解説します。期待する効果に対して、どのバイオスティミュラントを使えば良いか理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

     バイオスティミュラントに含まれる成分

    バイオスティミュラントとは「Bio(生物)」と「Stimulants(刺激)」を組み合わせた造語で、日本語に直訳すると「生物刺激剤」という意味です。主要なバイオスティミュラントは、主に以下のような成分を含んでいます。

    • 微生物
    • 植物エキス
    • 海藻抽出物
    • アミノ酸
    • 天然由来の有機化合物
    • その他植物生理活性物質類

    バイオスティミュラントに含まれる成分は、一般的な肥料のように直接的に作物に栄養を供給するだけではありません。バイオスティミュラントは、作物が受けるストレスからの耐性を強め、本来持っている能力を引き出す効果があります。

     バイオスティミュラントの種類

     

    バイオスティミュラントは数多くありますが、以下の3つを基準に分類できます。

    • 主要な効果・機能による分類
    • 主要なキー素材、キー原料による分類
    • 製品形態や施用方法に基づく分類

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

     (1)機能による分類

    バイオスティミュラントを主要な効果・機能別に分類すると、以下の6つに分かれます。

    • 生物活性物質(生育促進物質)の供給
    • 光合成の促進
    • 根の発達と吸収力の向上
    • ストレス耐性の向上
    • 害虫や病気への抵抗力の向上
    • 土壌環境の改善

    ※上記は主要な効果・機能での分類であり、全てのバイオスティミュラントの効果・機能を漏れなく含有していない可能性があります。

    バイオスティミュラントには「生物活性化物質の供給」や「光合成を促進する」など、作物の成長を促進する機能を持った製品があります。

    また、作物の根に刺激を与えることで発根を促進するだけでなく、根の周りの微生物を活性化させることで根量を増加させる製品があります。根が活性化すると栄養素や水を吸収しやすくなるため、作物の成長に効果的です。

    ストレスや病気への抵抗力を上げるバイオスティミュラントは、主に土壌内の微生物を活性化させる役割があります。土壌内の微生物が活性化することで、作物を病原菌から守る効果が期待できます。

     (2)キー素材、キー原料による分類

     

    バイオスティミュラントは、キーとなる素材や原料で以下の8つに分類可能です。

    ※下記は、現在発売されているバイオスティミュラントのキー素材、キー原料が全て公開されていないことから考えて、あくまで主要なキー素材、キー原料による分類とお考え下さい。

     菌根菌

    菌根菌とは、根に付着する微生物の一種です。菌根菌が配合されたバイオスティミュラントを使うと、土壌の中に広く菌糸が張り巡らされます。

    菌根菌の菌糸は、根では吸収できない養分や水分を吸収できるため、作物の成長の助けになります。

     腐植酸

    腐植酸とは、土壌中の植物から抽出した有機酸です。腐植酸は作物の成長過程で減少していくため、土壌内に補給していく必要があります。

    腐植酸の補給は一般的には、堆肥で行われます。しかし、堆肥に含まれる腐植酸の含有量は1~2%程度です。そこで腐植酸が配合されたバイオスティミュラントを活用することで、効率的な補給が可能です。

     発酵液由来

    発酵液とは、細菌や酵母などの微生物を植物と共に培養した液体のことです。発酵液由来の成分を含んだバイオスティミュラントは、土壌や葉面に散布することで作物の成長を促進する効果があります。

     ミネラル成分

    ミネラルとは、カリウムやリンなどの有機物以外の地質由来の成分です。植物の成長にとって必須の成分で、微量でも機能する「微量要素」と言われます。

    ミネラル自体は土壌内に存在しますが、作物の生育には足りていない場合があります。土壌分析を行いミネラルが不足していると確認できた場合には、バイオスティミュラントで補うことで作物の成長の手助けになるでしょう。

     植物ホルモン及び植物ホルモンの生成を促進する物質

    植物ホルモンを含む、または植物ホルモンの生成を促進する物質を含むバイオスティミュラントは、植物の成長の調整に効果的です。例えば、オーキシンという植物ホルモンはトマトなどの作物の実を肥大させる一方、除草剤として雑草の成長抑制にも使われます。

    バイオスティミュラントの製品において、これらを含む製品は茎や果実の成長を助ける成分として活用されています。

     アミノ酸

    アミノ酸は、作物が各器官を作る上で欠かせない有機化合物です。土の中で微生物の活動によって生成されますが、化学肥料を使い続けた土壌では、作物の成長に必要なだけのアミノ酸が作られません。

    化学肥料によって疲弊した土壌では、バイオスティミュラントでアミノ酸を補給することで、作物の成長を促進する効果があります。

    H4 海藻エキス・植物エキス

    海藻などの植物から抽出したエキスは、肥料として昔から世界中で行われていました。日本でもテングサを田畑の肥料として活用していた記録があります。

    海藻エキスが含まれるバイオスティミュラントを作物の葉面に散布することで、食味の向上や病害の軽減につながると言われています。

     動物由来

    動物由来の成分とは、主に魚の内臓や骨などです。魚の内臓や骨などは「魚かす」という肥料として、農業で利用されてきました。魚かすの主成分は窒素分で、海洋・海産物由来のアミノ酸やミネラル分も豊富に含まれています。

     (3)製品形態や施用方法に基づく分類

    バイオスティミュラントには、液体や粉末など様々な形態の製品があります。作物や自身の農法によって、利用しやすい形態の製品を選ぶと良いでしょう。

     液体型

    液体状のバイオスティミュラントは、濃度の濃い原液で販売されているため、主に水で希釈して活用します。

    施用方法は、葉面に霧吹きや散布機械で散布するほか、灌水チューブを使うなど様々です。製品の取扱説明書を良く読んだ上で施用しましょう。

     ペースト型

    ペーストタイプのバイオスティミュラントは患部に正確に施用でき、また効果成分が長く患部に止まらせることが可能です。

     粉末型 固体、粒剤型

    粉末状のバイオスティミュラントは、水に溶かして使用するタイプと土壌に散布する製品があります。

    水に溶かすタイプは、液体状の製品と同様に散布機械などを使って施用します。土壌に散布する製品は直接土壌に散布し、土と良く混ぜ合わせることが必要です。粒状、ペレットの形をした資材も存在します。これらの資材は運搬や施用がしやすく、正確な散布がしやすいことが特徴です。

    土壌の中でゆっくりと溶解するため即効性はないものの、長期間にわたって作物や土に影響を与えられます。

     バイオスティミュラントの効果的な活用方法

    バイオスティミュラントを効果的に使うには、以下の4つのポイントが重要です。

    • 適切なバイオスティミュラントの選び方
    • 適切な施用タイミングと施用方法
    • 農業管理手法との組み合わせ
    • 効果とモニタリングの評価

    バイオスティミュラントの使い方は、製品説明にも詳しく載っていますが、信頼できる販売店やコンサルタントなどに相談しながら使用してみると良いでしょう。

     1.適切なバイオスティミュラントの選び方

    バイオスティミュラントの選択においては、どのような効果を期待するのかという目的が重要です。まずは圃場、作物の状態や目的に合った製品を選びましょう。バイオスティミュラント製品の成分はそれぞれ異なるため、使用目的に合ったものを選ばないと効果は期待できません。

    例えば「根張りを促進したい」「病虫害の抵抗力を高めたい」など、自身の課題を明確にしておきましょう。目的に合った製品を選ぶには、成分や効果について十分に情報収集することが大切です。種類が多くて選べないという方には、実績があり評価の高い製品、近隣の農家が使用しいるもの、信頼性の高いメーカーの製品等がお勧めできます。。

     2.適切な施用タイミングと施用方法

    バイオスティミュラントの施用タイミングは、製品の取り扱い説明書や専門家の指導の元で行いましょう。作物の生育段階や病害発生の時期など、適切なタイミングで施用しないと効果が薄くなります。

    施用方法は製品によって異なるため、取り扱い説明書を確認しましょう。製品によって土壌に散布するタイプや、葉面に施用するものなど様々です。

     3.農業管理手法との組み合わせ

    バイオスティミュラントは、化成肥料や堆肥など他の肥料と組み合わせて使用すると効果的です。

    なぜなら、バイオスティミュラントは作物の栄養吸収を促進できるものの、栄養補給には十分ではないためです。また病害虫の対策としては、バイオスティミュラントを活用したとしても、農薬と同じ効果を期待することは難しいとお考え下さい。。

     4.効果のモニタリングと評価

    バイオスティミュラントは、従来の肥料や農薬と平行して使用しながら、バランスを調整していくことが大切です。バランスを調整することで、バイオスティミュラインと肥料・農薬、それぞれの効果を最大限に発揮させられます。

    肥料や農薬とのバランスを調整するためには、バイオスティミュラントの効果を適切に確認することが大切です。バイオスティミュラントを活用し始めたら、作物の品質や収量を一定期間継続してモニタリングしましょう。

     バイオスティミュラントの注意点

    バイオスティミュラントは、作物が本来持っている力や、肥料や堆肥の効果を最大限に発揮するための資材です。肥料や農薬が一切必要になるわけではないので、併用して利用することが大切です。

    またバイオスティミュラントは、製品によって期待できる効果や使用法が異なります。取扱説明書や専門家の指導の元、使用することが大切です。

     まとめ

    本記事では、バイオスティミュラントの機能や原料別に、どのような種類があるのか解説しました。バイオスティミュラントには様々な種類があるので、自身の利用目的にあった製品を選びましょう。

    また、バイオスティミュラントを活用する際には、肥料や堆肥と併用することが大切です。バイオスティミュラントの活用は、栄養吸収の促進や病害虫耐性を付けることが目的であるため、あくまで補助的な資材と理解しておきましょう。

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