【徹底解説講座】米・水稲・最大収量を決めるポイントとタイミングとは?米農家が知るべき必須知識とは?

施用方法 更新日:

 

当記事では、YouTubeチャンネル「味の素グループアミノ酸肥料ch」で公開されている動画「【徹底解説講座】米・水稲・最大収量を決めるポイントとタイミングとは?米農家が知るべき必須知識とは?」の内容をテキスト化してご案内しています。

 

【この記事で紹介されるバイオスティミュラント】

目次

    水稲栽培において、「収量がなかなか上がらない」と悩む農家の方は多いのではないでしょうか。

    収量向上のカギは、生育プロセスの理解、適切な分げつ管理、資材の施用タイミングの最適化にあります。

    本記事では、水稲の生育プロセスを踏まえながら、収量向上に役立つ方法を具体的に解説します。次の収穫期でその成果を実感できるアプローチを一緒に探っていきましょう!

    ■水稲の生育プロセス

    水稲の生育プロセスは大きく3つの段階に分けられます

    [1.栄養成長期]

    ・初期段階(田植え後~分げつ期)

    稲は定植されると土壌に活着し、成長を始めます。この時期には主茎とともに分げつが始まります。最初の分げつ(一次分げつ)は、主茎に5枚目の葉が出現した頃に発生します。その後、一次分げつから二次分げつが、二次分げつから三次分げつが形成されます。

    分げつは稲の収量に直結する重要な要素です。しかし、多すぎる分げつは栄養の無駄遣いを招き、逆に収量を低下させる原因となります。理想的な分げつ数は、1株あたり9~10個とされています。この分げつ数を実現するには、分げつの発生タイミングを管理し、初期の一次分げつを増やすことが重要です。一方、一次分げつや初期の二次分げつは収量に寄与しますが、遅い二次分げつや三次分げつは収量に寄与しないことを押さえておきましょう。

    [2.生殖成長期]

    ・幼穂形成期

    花芽誘導が始まり、主茎の成長点で穂の原基が形成されます。この段階で穂の大きさや穀粒数が決まるため、栄養状態やストレス管理が重要です。

    穂ばらみ期(ブーティング期)

    穂が膨らみ始め、花の形成が外見から確認できる段階です。分げつの数と質が収量に大きく影響します。

    [3.登熟期]

    穂に形成された穀粒が成熟する段階です。穀粒が健全に成長するための栄養供給が求められますが、この段階での対策は収量全体への影響が比較的小さいとされています。

    ■水稲栽培の収量向上の鍵とは?

    収量を最大化するために重要な要素は以下の4つです

    1. 面積あたりの穂数

    栽培面積あたりの穂の数は、収量を直接的に左右します。穂数が多ければ、それだけ潜在的な収量が増加します。

    2. 一穂あたりの小花数(潜在的な穀粒数)

    穂1本あたりの小花数が多いほど、形成される穀粒の可能性が高まります。

    3. 登熟粒の割合

    小花の中で実際に成熟して収穫可能な穀粒の割合が高いことが理想です。

    4. 穀粒の重さ(千粒重)

    個々の穀粒の重さも収量に影響しますが、通常は他の要素ほど大きな変動はありません。

    また、生育プロセス全体を通じて、干ばつ、塩害、高温、低温などの非生物的ストレスが稲の成長に悪影響を及ぼします。特に栄養成長期にストレスを受けると、分げつの発生が抑制され、収量低下に直結します。収量を向上させるには非生物的ストレスへの適切な対策が重要です。

    [バイオスティミュラントの推奨]

    バイオスティミュラントは、非生物的ストレスへの耐性を向上させる有効な手段として注目されています。これらの製品は、植物がストレスに耐えるための以下のメカニズムを活性化します

    •光合成の維持

    光合成は作物の成長と収量を左右する重要なプロセスです。特に水稲においては、チラコイド膜が光合成の中心的な役割を果たします。チラコイド膜は光エネルギーを化学エネルギーに変換する場所であり、光化学系II(Photosystem II)と密接に関係しています。

    ベタインとプロリンの役割

    ベタインやプロリンは、光化学系IIの効率を維持するために必要不可欠な成分です。これらの物質は、ストレス下でチラコイド膜を保護し、酸化ダメージによるタンパク質の変性を防ぎます。

    ベタインは、光化学系IIの働きを補強し、光エネルギーを効率的に活用することで、光合成効率を維持します。

    プロリンは、チラコイド膜の安定性を高め、ストレス下での膜構造の破壊を抑制します。

    これらの物質を適切に施用することで、光合成の低下を防ぎ、収量を維持することが可能です。

     

    抗酸化酵素の活性化

    酸化ダメージは、活性酸素種(ROS)の過剰生成によって引き起こされ、植物の細胞構造や酵素機能を損傷します。このダメージを軽減するためには、抗酸化酵素の活性化が重要です。

    【テカミンマックスの効果】

    テカミンマックスのような製品は、抗酸化酵素(例:カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ)の生成を促進します。これにより、活性酸素種を無害化し、細胞損傷を防ぎます。

    カタラーゼ:過酸化水素(H₂O₂)を水と酸素に分解し、酸化ダメージを抑制。

    グルタチオンペルオキシダーゼ:脂質過酸化を防止し、細胞膜の安定性を保護。

    これらの酵素の活性化により、植物のストレス耐性が向上し、健康的な成長を促進します。

     

    根系の強化

    根系は、植物が水分や栄養素を効率的に吸収するための基盤です。強い根系を持つことは、植物の健康状態を左右し、収量にも直結します。

    アグリフルの役割】

    アグリフルは、根系の活着(定植後の根の成長)を促進する製品です。

    定植直後に施用することで、根が早期に土壌に適応し、成長を開始します。

    強い根系が形成されることで、植物はより多くの水分や栄養素を吸収可能になります。

    さらに、根系の成長は、地上部の分げつや穂の発育にも良い影響を与えます。これにより、栄養と水分の効率的な供給が確保され、収量の向上が期待できます。

    実際の施用例

    バイオスティミュラントは、稲作を含む農作物の生産において、その効果が実証されています。本トピックでは、実際の施用例を通じて、どのようにこれらの製品が作物の成長促進や収量向上に貢献するかを具体的に解説します。 

    1. チリでのテカミンマックス施用試験

    チリでは直播きされた稲を対象に、テカミンマックスの施用試験が行われました。農地では高品質な施肥プログラムが採用されており、特にストレスを受けていない条件下で以下の結果が得られました。

    施用方法:

    発芽後35日目(分げつ期中盤)と70日目(穂ばらみ期)に、1ヘクタールあたり原液2リットルを施用。

    結果:

    最良の収量は9トン/ヘクタール。

    原液3リットルを施用した場合でも収量は同等。

    ストレスが少ない場合、2リットルの施用がコスト効率的であると確認。

    この施用試験は、適切なタイミングでの使用が収量に大きな影響を与えることを示しました。

    2. コスタリカでのアグリフル施用例

    コスタリカでは、直播きされた稲にアグリフルを施用する試験が行われました。施用は除草剤と混合して行われ、以下の効果が確認されました。

    施用方法:

    1ヘクタールあたり1リットルのアグリフルを除草剤と混合し、圃場に散布。

    結果:

    アグリフルを施用したエリアの稲は健康的な緑色を保ち、対照区では葉が黄色く変色。

    生産者はその効果に満足し、他の資材を使用せずアグリフルに集中投資する決定を下すほどの成果を示した。

     

    これらの結果は、バイオスティミュラントの効果を示す具体的な例であり、早期施用や適切な施用戦略が収量向上とストレス耐性に寄与することを強調しています。

    その他の研究実験

    バイオスティミュラントに含まれるアミノ酸は、農業現場でさまざまな形で試験が行われ、その効果が検証されています。本トピックでは、様々な研究例の中から、重要な実験内容や結果をいくつかピックアップしてご紹介します。

    1. グルタミン酸による病害抑制

    いもち病菌に対する グルタミン酸 の効果が、日本国内の試験で検証されました。

    試験内容:

    10ミリモルのグルタミン酸を稲に施用。

    結果:

    いもち病菌による病害が抑制され、稲が健康を維持。

    アミノ酸を利用した病害抑制の可能性が示される。

    2. タイにおけるグリシンベタイン試験

    東南アジアの主要農業国であるタイでは、稲のストレス耐性向上を目的に グリシンベタイン の試験が行われました。

    試験内容:

    100ミリモルのグリシンベタインを稲に施用。

    結果:

    プロリン濃度が増加 し、稲のストレス耐性が向上。

    水ストレス下での光合成効率が維持され、クロロフィルの減少を防止。

    高さ、花穂の長さ、100粒重の向上が確認され、収量も安定。

    これらの試験は、バイオスティミュラントに含まれるアミノ酸がストレス耐性の向上や収量の安定化に効果的であることを実証しています。それぞれの試験で得られた知見は、施用タイミングや量を適切に設定することで、さらなる成果を引き出せる可能性を示しています。

    4.まとめ

    水稲の収量向上には、生育プロセスの理解、分げつ管理、適切な施用タイミングの最適化が不可欠です。特に、栄養成長期における初期分げつの増加と非生物的ストレスへの対策がカギとなります。本記事で紹介したアグリフルテカミンマックスといったバイオスティミュラントを栽培計画に取り入れ、次の収穫期により高い成果を目指しましょう!

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