ご存じですか?肥料の基礎知識|分類、成分、働き、効果的な使い方について

チュートリアル 更新日:

「肥料について基本的なことから学びたい」

「微量元素にはどんなものがあるの?」

「効率的に安定的な収量を得る方法が知りたい」

このようなお悩みを抱えていませんか?農作物を栽培する上で、肥料選びは大変重要です。基本的な知識をもたずに施肥をすると、作物が思うように成長せずに収量や品質に悪影響が出やすいです。

高品質な作物を安定的に収穫するためには、作物の種類や生育ステージに見合った、肥料の選定や施肥量を行う必要があります。そこで本記事では、以下の内容について解説します。

  • 栄養素と肥料の基礎
  • 肥料の役割と効果
  • 肥料を上手に使うコツ
  • 肥料の効果を効率的に引き出すためのバイオスティミュラントの活用

肥料について基本から理解することで効率のよい施肥ができ、コストダウンや収量アップが期待できるでしょう。ぜひ本記事の内容を参考に、作物栽培に役立ててみてください。

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栄養素と肥料の基礎

作物に必要な栄養素には、3大栄養素の窒素・リン酸・カリがあります。これらの3要素をバランスよく施肥することで、病害虫に強い健全な作物に育て上げられます。

栄養素が不足したり過剰に与えすぎたりすると、作物に悪影響が出て減収につながるおそれがあるため、適切な施肥管理が大切です。

肥料の成分表示のラベルに「14-14-14」などと記載されているのを、見たことがあるのではないでしょうか。これは、窒素・リン酸・カリの順番に各要素の含有量を示したものです。

「14-14-14」と記載のある場合、窒素・リン酸・カリがそれぞれ14%ずつ含まれていることを示しています。例えば20kgの肥料を畑に施用する場合、窒素・リン酸・カリの含有量は、それぞれ20kg✕0.14=2.8kgという計算になります。

肥料の分類

 

肥料の分類

ここでは、肥料について以下の2つの視点から分類します。

  • 含まれている成分による分類
  • 肥料の形状による分類

異なる視点からみることで、目的に応じた適切な肥料をみつけやすくなるでしょう。

①含まれている成分による分類

1.配合肥料と複合肥料の違い

複合肥料は窒素・リン酸 ・カリのうち2種類以上を成分として含んだ肥料で、配合肥料や化成肥料に分けられます。

一方、配合肥料は複合肥料の一種で固形の原料を複数混ぜたものです。窒素・リン酸・カリの含有量が、10 %以上保証されているのが特徴です。

2.化成肥料と化学肥料の違い

化学肥料は、化学的合成によってできた無機質肥料を指します。肥料は大きく分けて有機肥料と無機質肥料に分けられますが、一般的に化学肥料と呼ばれるのが無機質肥料です。ただし、化学肥料は法律上の明確な定義はありません。

一方、化成肥料は配合肥料を化学的あるいは物理的な工程で粒状に加工した肥料で、化学肥料に含まれます。

3.特殊肥料と有機肥料の違い

特殊肥料は「農家の経験や五感で品質を識別できる単純な肥料」として普通肥料とは異なる定義があります。

特殊肥料は現在、肥料取締法で46種類が指定されており、具体的には以下のようなものがあります。

  • 魚粕
  • 羊毛クズ
  • コーヒー粕
  • グアノ
  • 米糠
  • 草木灰

一方、有機肥料(有機質肥料)は普通肥料の1つで、以下に示すような動植物質からできた肥料です。

  • 魚粉類
  • 動物かす粉末類
  • 骨粉質類
  • 植物油かす類等

有機肥料の肥効は、窒素含有率で評価されるのが一般的です。窒素の含有率が高いほど、肥効も高くなるからです。

  ②肥料の形状による分類

肥料を形状で分類すると、固形肥料と液体肥料に分類できます。固形肥料はさらに、粒状肥料と粉状肥料に細分されます。形状によって3つに分類したときのそれぞれの特徴は、以下のとおりです。

 

固形肥料の特徴としては、効果は緩やかで持続性があるため追肥や元肥に使用されることが多いです。

一方、液体肥料は即効性に優れ、別名「水肥」とも呼ばれており栄養ドリンクに例えられます。一般的に、液体肥料は水で薄めて使用します。

肥料の役割と効果

肥料の役割と効果

ここでは、肥料の役割と効果について解説します。

  • 主な肥料成分
  • 微量要素の働き
  • 肥料が吸収される仕組みについて
  • 有機肥料の上手な使い方。即効性と遅刻性

過不足なく肥料を与えるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

  ①主な肥料成分(NPKの効果などについて)

作物が成長するために必須の栄養素が、肥料3大栄養素と呼ばれる窒素・リン酸・カリです。窒素は葉肥(はごえ)、リン酸は花肥(はなごえ)、カリは根肥(ねごえ)と呼ばれ、作物の生育において重要な役割を担っています。

肥料3大栄養素は、それぞれの頭文字をとって「NPK」と略されます。各栄養素の役割と肥料の種類について解説します。

H4 1.窒素(N):

窒素は作物の葉・茎の生育に欠かせない成分で、作物を大きく生長させる役割を担っています。また、作物の細胞を構成しているタンパク質や、光合成に関与している葉緑素(クロロフィル)の元となる重要な元素です。

窒素が不足すると、葉色が黄変し生育不良となり、分枝しなかったり葉が小さくなったりといった症状がみられます。

逆に窒素過多になると、葉や茎が生長しすぎて花つきや実つきが悪くなったり、病害虫に対する抵抗性がなくなったりといった弊害があるため注意しましょう。

一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • 硝酸アンモニウム
  • 硫酸アンモニウム
  • 塩化アンモニウム
  • 尿素

H4 2.リン酸(P):

リン酸は、作物のエネルギー運搬に関わるATP合成に関わっており、開花結実を促進するのに必要な成分です。リン酸が不足すると花の数が減り、開花結実が遅れるといった悪影響が出ます。逆にリン酸が過剰になりすぎると生育不良、土壌病害などが起こりやすくなります。

一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • 過リン酸石灰
  • 苦土重焼リン
  • 熔成リン肥

H4 3.カリウム(K):

カリウムには、作物の根張りをよくして発育を促進したり、病害虫や外部環境の変化に対する抵抗性を高めたりする役割があります。カリウムが不足すると、根が軟弱になり根腐れを引き起こしたり生育不良になったりする恐れがあります。

逆にカリウムが過剰になりすぎると、マグネシウムやカルシウムなどの欠乏症を招きやすくなるため注意が必要です。

一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • 塩化カリウム
  • 硫酸カリウム
  • ケイ酸カリウム

②微量要素の働き

肥料3大栄養素の他に作物の成長に欠かせないものとして、微量元素があります。微量元素の例を、以下に示します。

  • マグネシウム
  • カルシウム
  • 硫黄
  • ホウ素

これらの微量元素を、作物の成長段階や土壌環境に応じてバランスよく供給することが大切です。それぞれの微量元素について、詳しくみていきます。

H4 1.マグネシウム(Mg):

マグネシウムは、光合成に重要な葉緑素(クロロフィル)をつくったり、核酸・糖類・脂肪などを合成したりするのに欠かせない元素です。

 一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • 硫酸マグネシウム
  • 硝酸マグネシウム
  • 苦土石灰

マグネシウムが不足すると葉脈間が黄変し、ひどい場合には枯死する恐れがあります。

また、過剰に与えすぎると土壌がアルカリ性に傾き、微量要素欠乏症を引き起こしやすくなるため注意しましょう。

H4 2.カルシウム(Ca):

カルシウムは植物体を強くする役割を担っており、細胞膜に多く存在する元素です。また、植物体内での有機酸の中和やタンパク質合成にも関与したり、マグネシウムやカリウムの吸収を調整したりと重要な役割を担っています。

一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • 硫酸カルシウム
  • 苦土石灰
  • 酸化カルシウム

カルシウムが不足すると、生長点や根に異変がみられるようになるので注意が必要です。欠乏が激しいと成長点が枯死したり、根の先端が褐変したりします。

一方、カルシウムが過剰になると土壌がアルカリ性に傾き、ホウ素・マンガンなどの微量元素欠乏を引き起こしやすくなります。

H4 3.硫黄(S):

硫黄は葉緑素(クロロフィル)の生成を助けたり、タンパク質合成に関与したりといった役割を担う元素です。

一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • 硫酸アンモニア
  • 過りん酸石灰
  • 硫酸加里

不足すると生育不良となり、作物全体が黄化します。過剰になると、硫酸の作用で土壌が酸性に傾き根が障害を受けたり、窒素・リン酸・カリウムのほかカルシウムやマグネシウムを吸収しにくくなったりするので注意が必要です。

H4 4.ホウ素(B):

ホウ素は微量元素の中では珍しく、非金属元素に属します。細胞膜や道管・師管などの通道組織の形成維持、細胞分裂や受粉に関与する元素です。

一般的に使用されている肥料には、以下のようなものがあります。

  • ボレート
  • ホウ酸

不足すると生長点が止まり、根や茎の中心が黒褐色となりもろくなり、みかんなどの果実ではヤニが出ることもあります。一方で過剰に与えると葉が黄化し、枯死に至ることがあるので注意しましょう。

H4 5.鉄(Fe):

鉄は呼吸作用に関わる酵素をつくったり、葉緑素(クロロフィル)の合成を助けたりする作用がある元素です。

一般的に使用されている肥料は、以下のとおりです。

  • 硫酸第一鉄
  • 硫酸アンモニア鉄

不足すると、新葉から黄色化してしまいます。鉄不足になると、たとえ他の養分が足りていたとしても作物の生育が制限されてしまいます。

逆に鉄が過剰になると、小さな褐色の斑点が葉にでき、ひどい場合には葉がねじれて奇形化してしまうので注意が必要です。

③肥料が吸収される仕組みについて

肥料が吸収される仕組みをみていきましょう。土壌は空気・水・鉱物・腐植などから成っており、土壌の約3割は水です。

肥料を土壌に与えると、肥料成分が土壌中の水に溶け、作物の根が土壌に溶けた肥料を吸い上げていきます。

このときに関係するのが、浸透圧です。水はイオン濃度が低い方から高い方へ流れますが、根の細胞のイオン濃度が根の周りの水分のイオン濃度よりも高いと、水と養分が能動的に根に吸収されます。

逆に、肥料の与えすぎによって根の周りの水分のイオン濃度が高くなると、根の細胞のイオン濃度が相対的に低くなり、根の細胞から水分が外に出ていきます。

これが肥料の濃度障害です。肥料を与えすぎると根に障害が出やすいので、注意が必要です。

④有機肥料の上手な使い方。即効性と遅刻性

肥料は種類によって、効果が現れるまでに時間がかかります。例えば、有機肥料は動植物質からできており、微生物の分解を経て徐々に効果が出始める遅効性肥料です。

遅効性肥料は元肥に適しているため、すぐに効果を得たいという場合には向いていません。効果を早く実感したいという場合には、即効性肥料である尿素などの化成肥料や、液体肥料がおすすめです。

即効性肥料は作物に成分が素早く吸収される反面、持続期間が1週間程度と短いため、追肥に向いています。有機肥料を使う際には、即効性肥料と上手く組み合わせることが大切です。

肥料を上手に使うコツ

肥料を上手に使うコツ

ここでは、肥料を上手に使うコツについて解説します。

  • 肥料の選択と使用の基準
  • 肥料の効果と成果の評価

無駄なく適切な量を肥料を与えることで、コスト削減も期待できるでしょう。

肥料の選択と使用の基準

肥料を選択する前に、肥料を与える土壌について分析することが大切です。土壌診断で土壌中の養分のバランスを把握し、不足している養分と過剰な養分を把握します。

これによって適切な肥料を選択し効率的に利用でき、品質向上やコスト削減につながるでしょう。

作物の生育段階によって、肥料の施肥量は異なります。作物ごとの適切なタイミングで適切な量を把握し、施用することが大切です。

肥料の効果と成果の評価

肥料効果をモニタリングし、評価することも大切です。土壌中の肥料成分の変化に応じて、以下の指標を確認しながら窒素成分を中心に施肥量の調節を行います。

  • 草丈
  • 葉の大きさ
  • 葉色
  • 伸長量

これらの指標は、作物の収量や品質に直結する重要な要素です。作物の作付け状況によっては、葉の抽出物から植物体内の硝酸イオン濃度を測定することでリアルタイムに栄養診断を行い、追肥の必要性を判断する方法もあります。

肥料の効果を効率的に引き出すためのバイオスティミュラントの活用

 

肥料効果的 バイオスティミュラント

肥料の効果を効率的に引き出すための方法として、バイオスティミュラントの活用があります。バイオスティミュラントは、植物がもともと備えている免疫力を高め、健全な生育を促進する農業資材です。

近年、ヨーロッパを中心に従来の農業技術による効率化をさらに高めるための新しい農業カテゴリーとして、注目を集めています。バイオスティミュラントには、以下のような特徴があります。

  • 植物の活力を高める
  • 植物に備わっている力を利用できる
  • ストレスの影響を緩和できる

今後は、農業現場の細かなニーズを踏まえたバイオスティミュラントの開発が期待され、日本においてもその必要性が高まるでしょう。

まとめ

肥料 まとめ

肥料には、3大栄養素の窒素・リン酸・カリウムだけでなくさまざまな微量元素があり、作物の健全な生育には欠かせません。また、肥料の形状や原材料によって効果の持続性も異なるため、作物に応じた肥料選びが大切です。

近年、注目を集めているバイオスティミュラントは、肥料と併用して使うことで肥効を高め

品質を安定させたり、収量を増やしたりすることが期待されます。

味の素ヘルシーサプライは、長年のアミノ酸や核酸の研究を活かし農業現場における多くの問題と向き合って参りました。豊富な経験や実績にもとづき、生産者様のお悩みに応じたさまざまなバイオスティミュラントを提供しております。

外的環境に左右されず安定的に収量を得るために、ぜひ味の素ヘルシーサプライの製品のご利用をご検討ください。

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