アミノ酸肥料とは?効果的な使い方とプロ農家向けおすすめ肥料を紹介

チュートリアル 更新日:

「作物に元気がなくて困っている」

「収量アップのためにできることはないかな?」

「作物がすばやく吸収できる肥料はないだろうか」

このようなお悩みを抱えている方には、アミノ酸肥料がおすすめです。アミノ酸は植物がタンパク質合成を行うのに欠かせない物質で、それを肥料として補うのがアミノ酸肥料です。アミノ酸肥料にはさまざまな種類がありますが、ただ単に与えれば良いわけではありません。栽培している作物の種類や生育時期に応じた、適切なアミノ酸肥料を選ぶ必要があります。

そこで本記事では「アミノ酸肥料の特徴」「メリット・デメリット」「おすすめのアミノ酸肥料」などについて解説します。アミノ酸肥料を取り入れることで、作物が元気になり実入りがよくなることが期待できます。収量アップのためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

〈この記事で紹介されているバイオスティミュラント〉

目次

    アミノ酸肥料とは?

    アミノ酸肥料とは、作物生産を安定させるための複合肥料の一種です。本来、植物は光合成を行い体内でアミノ酸を合成していますが、天候不良などによって光合成ができない場合があります。アミノ酸肥料を施用することで、植物が環境ストレスに置かれた状況でも生育をサポートし、品質向上や収量アップが期待できます。アミノ酸肥料によって、植物体にアミノ酸を直接吸収させられるので、タンパク質の合成をスムーズに行えるようになるからです。

    アミノ酸肥料の特徴

     

    アミノ酸肥料は、動物由来あるいは植物由来のタンパク質をアミノ酸や低分子ペプチドまで分解して作られます。大きく分けて、固形と液状の肥料があります。アミノ酸は植物の葉からも直接吸収されることが研究で分かっており、元肥や追肥だけでなく葉面散布用としても市販されています。

    よく知られているアミノ酸は、うま味成分として知られるグルタミン酸です。グルタミン酸は植物体内における他のアミノ酸合成の出発点となるため、肥料として配合することで効率よくタンパク質が合成できます。アミノ酸肥料には、グルタミン酸以外にも豊富な種類のアミノ酸を含んでいます。単分子処理されたアミノ酸の場合、細胞壁からすばやく吸収されるため、生育を早めることが可能です。

     アミノ酸肥料を使用するメリット・デメリット

    アミノ酸肥料の使用にはメリットとデメリットがあるので、それぞれを意識して資材を選ぶのがおすすめです。デメリットを不便に感じるかもしれませんが、使い慣れていくうちに感じなくなるでしょう。

    アミノ酸肥料のメリット

    アミノ酸肥料には、以下の3つのメリットがあります。

    1. 病害抵抗性向上が期待できる。
    2. 効果を早く実感しやすい
    3. 収益アップが見込める

    アミノ酸肥料の吸収の速さや収量アップはもちろん、作物を育てる環境にも配慮しながら栽培ができます。一つひとつに詳しくみていきましょう。

     メリット(1):病害抵抗性向上が期待できる

    アミノ酸肥料によって、病害抵抗性向上が期待できます。アミノ酸は作物の病害抵抗性を高めることが分かっており、例えばヒスチジンはトマトの病害抵抗性を高めて青枯病を抑制します。これは作物が本来持っている「病害抵抗性誘導物質」によるものです。この物質によって作物の病害抵抗性を高めることで、理論上は薬剤耐性菌は出ないと言われています。農薬使用量を減らせるので、コスト面、作業面でメリットが期待できます。

     メリット(2):効果を早く実感しやすい

    アミノ酸肥料を使用することで、樹勢が良くなる、葉色が変わるなどの散布効果を早く実感できます。これは、アミノ酸肥料に用いられている天然アミノ酸分子の一つひとつが小さいためです。数時間ほどで吸収が始まるので、作物に吸収されるのが早く即効性があります。また、環境ストレスなどによって障害が生じた作物の回復促進にも効果的です。台風の被害を受けて収穫が見込めなかった圃場において、アミノ酸肥料を葉面散布することで劇的に回復した事例もあります。

     メリット(3):収益アップが見込める

    アミノ酸肥料を使用することで、収量アップが期待できます。実際にアミノ酸肥料を使用した圃場では、以下のような効果が報告されています。

    • 樹勢が回復した
    • 規格内個数や重量が増加した
    • 収穫物の実入りが良くなった

    樹勢の悪い作物にアミノ酸補給を行うことで、濃い緑色の葉色になるなど目に見える効果が実感できます。作物の良好な成長につながり、実入りの良い収穫物につながる点がメリットです。このように収穫量が増えることで、収入の増加にもつながるでしょう。

     アミノ酸肥料のデメリット

    アミノ酸肥料には、以下の2つのデメリットがあります。

    1. 固肥と比べて施肥回数が多い
    2. 希釈して濃度調整が必要

    最初のうちは、面倒に感じることが多いかもしれません。 しかし、収量アップのためには避けて通れないので念頭に置いておきましょう。

     デメリット(1)固肥と比べて施肥回数が多い

    アミノ酸肥料を含むバイオスティミュラント、液体肥料は、固肥に比べて施肥回数が多い傾向です。アミノ酸肥料は月に2〜3回は施用することが推奨されますが、固肥であれば追肥は数ヶ月に1回を目安に施用されることが多いです。これは、固形肥料の方が緩効性であるためです。農業現場では一般的に農薬と混合して散布されることが多いため、アミノ酸肥料を使用しているからと言って、極端に作業回数が増えることはありません。

    作物が弱っていると感じた時は、希釈したアミノ酸肥料を葉や茎に多めに与える必要があります。定期的に与えることで効果を発揮するため、施用する頻度を忘れないようカレンダーなどにメモしておくと良いでしょう。

     デメリット(2):希釈して薄める必要がある

    アミノ酸肥料は、液体の場合には希釈して使用する必要があります。商品や使用する作物によって異なりますが、5001000倍に希釈して使用することが多いです。希釈濃度が濃いと、肥料やけが起きてしまいます。

    肥料やけは、肥料成分を過剰に与えたことで根に害が出てしまうことです。作物が枯死してしまう原因になるため、注意が必要です。アミノ酸肥料の濃度調整を間違わないよう、ラベルやWEBサイトの施用方法の説明や注意書きをしっかり読んでから適切に使用する必要があります。

     【プロ農家向け】アミノ酸肥料のおすすめ肥料・農業資材

    ここでは、アミノ酸肥料のおすすめの商品をご紹介します。グルタミン酸を豊富に含んだ肥料やミネラルを配合した肥料など、作物のさまざまな生育段階や種類に合わせた資材があります。ぜひ収量アップするための参考にしてみてください。

    Tecamin Max「生育を早めて収量アップ!」

    Tecamin Maxはタンパク質合成の元となるグルタミン酸を豊富に含んだアミノ酸肥料で、作物のストレスを軽減します。Tecamin Maxを使用することで、期待できる効果は以下のとおりです。

    • 養分吸収を根からしっかり吸収
    • 農薬と併用した効率的な施用
    • 外部環境によらず良質な苗の育成
    • 作物の生育を促進
    • 作物の実入りをよくする

    Tecamin Max を10日おきにトマトに葉面散布したところ、茎が太く樹勢のよい実の大きなトマトの収穫ができました。また、タマネギにTecamin Max を2回葉面散布することで、重量が12%アップしたという報告もあります。

    >>Tecamin Maxを試してみる

     アジフォル® アミノガード® 「高濃度アミノ酸で作物を元気に!」

    アジフォル®アミノガード® 701 アジフォル®アミノガード® 544

    アジフォル® アミノガード® には2種類あり、701は花が咲くまでの間に使用し、554は実が実ってから使用するアミノ酸肥料です。アジフォル® アミノガード® の特徴は以下のとおりです。

    • ミネラルも含んだ葉面散布剤
    • 作物の生育段階の養分要求に合わせて施用
    • 育苗期から開花期まで長期にわたって使用が可能

    アジフォル® アミノガード® は高度のアミノ酸だけでなく、銅や亜鉛などのミネラルを含んでいるのが特徴です。また、花が咲いて実が着く頃には作物のリン酸やカリの要求性が高まるため、成分もそれに合わせた分量になっています。

    >>アジフォル®アミノガード®を試してみる

     アミノ酸肥料の使い方のポイント

    アミノ酸肥料を使う際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。

    1. 作物の生育具合に合わせて希釈倍率を調整する
    2. 希釈液はその日のうちに使い切る
    3. 使用前によく振ってから施用する

    ポイントについて1つずつ詳しく解説します。ポイントを意識して正しく使うことで、しっかりと効果を実感できるでしょう。

     ポイント①:作物の生育具合に合わせて希釈倍率を調整する

    アミノ酸肥料の希釈倍率は、作物の生育段階に応じて調整が必要です。作物の種類ごとの希釈倍率の目安については説明書きがあるので、様子を見ながら濃度調整をしましょう。また、ドローンで散布を行う場合には目安の希釈倍率が変わるので、注意が必要です。

     ポイント②:希釈液はその日のうちに使い切る

    薄めたアミノ酸肥料の希釈液は、その日のうちに使い切るのがポイントです。アミノ酸肥料は希釈することで、化学変化を起こしやすくなっています。そのため、同じ希釈液を何日も使っていると作物に悪影響を与える可能性があります。また、夏場には希釈液が入っていたタンクや容器に藻やかびが生えることもあるので、衛生的にもよくありません。

     ポイント③:使用前によく振ってから施用する

    アミノ酸肥料の希釈液は使用前によく攪拌しましょう。希釈液を長時間放置していると、沈殿が発生する可能性があります。攪拌せずに作物に施用すると、理想の希釈濃度でアミノ酸肥料を与えられず、散布ムラができし、生育のバラツキが発生する可能性があるので要注意です。しっかり攪拌し、濃度を均一にすることで作物の生育にプラスに働きます。

     アミノ酸肥料のまとめ

    アミノ酸肥料についての特徴やメリット・デメリット、おすすめの商品などについて解説しました。アミノ酸肥料は、植物のタンパク質合成には欠かせないアミノ酸を素早く植物体に吸収できるよう、単分子処理されているものが多いです。また、アミノ酸は病害抵抗性向上も期待できるので、作物が健やかに育つことで収量アップが見込めます。

    味の素ヘルシーサプライ株式会社は、長年の研究実績によりさまざまな種類のアミノ酸肥料を取り扱っています。栽培作物の種類や、抱えている問題に応じたアミノ酸肥料をぜひ使ってみてください。

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