トマトの病気の種類や発生原因、対策方法とは?おすすめ農薬のご紹介

チュートリアル 更新日:

「トマトはどんな病気になるリスクがあるのかな?」

「トマトの病気対策に効果的な農薬を知りたい」

「病気への抵抗力のあるトマトを作りたい」

このようなお悩みを抱えていませんか?トマトがかかるリスクのある病気は、数多くあります。病気によって株全体に病原菌が広がり、枯死してしまうこともあります。

トマトの病気は感染が広がってからでは手遅れになる場合が多いため、事前の対策が重要です。しかし、トマトの病気の種類や予防法がわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、トマトの病気の「種類と発生要因」や「予防」について解説します。トマトの病気対策に効果的な味の素グループが販売しているバイオスティミュラントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 【本記事で紹介のバイオスティミュラント】

 テカミンマックス アジフォルアミノガード

目次

    トマトの病気の種類、分類

    トマトは、病気にかかりやすい作物と言われています。トマトがかかるリスクのある病気は数多くありますが、主なものは以下の表のとおりです。

    いずれの病気も「茎葉が萎えて枯れる」「果実に病斑ができる」などの症状が現れます。

    それぞれの病気について

     

     トマトの主な病気のそれぞれの症状について詳しく紹介します。

    うどんこ病は、葉の表面に白色のカビが発生する病気です。はじめは葉の全体が薄い白色になり、徐々に色が濃くなっていきます。葉の表面がカビで覆われると、光合成が阻害されて成育に悪影響が出ます。

    灰色かび病は、褐色の病斑が葉や茎に発生する施設栽培特有の病気です。育苗期から収穫期まで発症リスクのある期間が長いことが特徴です。病斑は育苗期から定植直後は葉や茎に、収穫期には果実に発生します。

    青枯病は露地栽培では梅雨明け頃、施設栽培では春から発生する高温期の病気です。発症すると暑い日の日中に茎葉が一斉に萎れ、夜間には元に戻るという状態を数日繰り返します。やがて夜間に元に戻らなくなり、茎葉が褐色になり枯死します。

    疫病は葉に褐色の病斑が発生する病気です。多湿時には白色のかびが発生し、葉が乾燥すると破れやすくなります。病斑が茎全体に広がると、枯死します。

    黄化葉巻病は上部の葉が大きく育たず、内側に巻き込むように萎縮することが特徴の病気です。症状が現れた葉より上部は、茎葉が黄化して生育が抑制されます。そのため着果しても、すぐに落果してしまいます。

    それぞれの発生要因

    病気の発生要因はそれぞれですが、共通点も多くあります。こちらでは、5つの病気の発生要因について解説します。

    うどんこ病の細菌は、主に土や葉の中に生息している糸状菌です。風に飛ばされるなどして作物に付着して繁殖します。「雨が少なく日照時間が長い冷夏」や「晴れと雨が交互に続く秋」が繁殖しやすい気候です。また肥料過多や密生栽培により、繁殖が助長されます。

    灰色かび病になるのは、病原菌の傷口や花への付着が原因です。灰色かび病は施設栽培特有の病気で、ハウス内の多湿環境や日照不足の作物で繁殖しやすくなります。

    青枯病は土壌伝染性の病原菌が原因となる病気です。病原菌のついた被害作物の残渣の中で、2~3年程度生存しています。雨や灌漑などの水の流れで移動し、作物の傷口から侵入して導管内で増殖します。

    疫病は土壌に生息する糸状菌を原因とする病気です。梅雨時期や秋雨時期に土壌から、雨水などを介して作物に侵入します。また多湿下でも増殖するため、風とおしの悪いハウスの中などでも増殖しやすくなります。

    黄化葉巻病はカメムシ目コナジラミ科のタバココナジラミが、原因菌を媒介して広がる病菌です。タバココナジラミが感染株を吸汁し、他の作物に感染を広げます。一方で土壌や水などを媒介として感染することはありません。

    それぞれの病気の予防と対策

     トマトの主な5つの病気について、それぞれの予防と対策を解説します。

    [予防]

    トマトの病気の予防方法として「環境対策」と「農薬の使用」の2つを紹介します。 

    ①環境対策 

     うどんこ病と灰色かび病の細菌は、乾燥状態を好みます。一方で、青枯病と疫病は湿気を好むと言われています。原因菌の繁殖を防ぐには、加湿・過乾燥いずれも適切ではありません。灌水の頻度や量は、作物の状態を見ながら細かく調整することが必要です。

    湿度管理は、特にハウス栽培の場合に注意が必要です。定期的にハウス内を換気するなど、加湿状態にならないように管理しましょう。一方で露地栽培の場合には、マルチを張るなど土壌の細菌が風や雨で作物に跳ね返らないように対策することが大切です。

    青枯病や疫病は、細菌が侵入した被害作物の残渣の中で生存します。病気になった作物は、圃場の外に破棄することが必要です。また連作を避けることも、前作の感染を引き継がないために大切な対策になるでしょう。

    ②農薬の使用

    細菌を繁殖させないためには、作物の消毒が効果的です。また、青枯病などのように土壌に細菌が生存している場合もあるため、土壌消毒を行うことが必要な場合もあります。

    [一般的な対策]

    それぞれの病気の基本的な対策は、発症する前の消毒などの防除の徹底です。病気がまん延した後では、防除は困難になります。また、窒素成分の多い肥料の過剰散布は避けましょう。窒素の過剰散布は必要以上の茎葉の繁茂につながり、被害が拡大するリスクがあります。

    [発生した後の対策]

    トマトの病気が発生してしまった後の対策として「環境対策」と「農薬の使用」について解説します。

    ①環境対策 

    作物に病原菌が繁殖してしまった後の基本的な対応は、羅病株を引き抜き処分することです。圃場に病原菌を残さないために、発病株は畑の外に処分しましょう。ただし、灰色かび病は感染した花を除去することでも、被害を抑えることが可能です。

    ②農薬の使用

    農薬の使用は病気の予防や初期対応に有効ですが、病原菌がまん延したあとでは効果が見込めません。病気が広がってしまった後は、羅病株の除去で対応しましょう。

    トマトの病気に対するバイオスティミュラントの活用

     

    トマトは、数多くの病気に感染するリスクのある作物です。それぞれの病気に対して対策をすることは効果的ですが、バイオスティミュラント資材によって作物の病害抵抗性を高めることも大切です。

    バイオスティミュラント(Bio Stimulants)とは、生物(Bio)と刺激(Stimulants)を合わせた造語で、日本語では「生物刺激剤」と訳されます。バイオスティミュラントは気象や土壌条件で受けるストレスを緩和し、作物の健全な成長を助ける資材として活用されています。

    ただし、バイオスティミュラントを施用すれば農薬が不要になるわけではありません。直接的に病原菌を消毒する農薬と併用することで、より効果的な病気への対策ができます。

    トマトの病気対策におすすめの農薬・農業資材の紹介

    味の素グループでは様々なバイオスティミュラント資材を販売しています。中でも、トマトの病気に効果的な2つのバイオスティミュラント資材を紹介します。

    【Tecamin Max】

    テカミンマックス

    TecaminMaxは、遊離アミノ酸や窒素を豊富に含んだバイオスティミュラント資材です。アミノ酸は全量の内14.4%も含まれており、作物のタンパク質の生成を助ける効果があります。

    作物は本来、光合成によってアミノ酸を生成します。しかし、曇天や高温・低温下では十分な光合成が行えずに、アミノ酸の供給が不十分になりがちです。TecaminMaxの施用は気象条件に関わらずアミノ酸を直接供給できるため、作物の健全な成長を助けられるのです。

    病気への対策としても作物の抵抗性が高まるため、農薬と併用することで病原菌のまん延を防ぐ効果があると言えます。

    >>Tecamin Maxを試してみる

    【アジフォル®アミノガード®】

     アジフォル®アミノガード®は、TecaminMaxよりも多い15.0%のアミノ酸を含むバイオスティミュラント資材です。またミネラルも豊富に含有しており、光合成を助ける効果や病害虫への抵抗力を高める目的としても役立ちます。

    アジフォル®アミノガード®を施用した事例としては、イチゴのうどんこ病への対策の実験があります。以下の写真は、アジフォル®アミノガード®の施用と、農薬または水のみを散布した場合の比較です。

     

     水のみを散布したイチゴは、果実が白いかびで覆われています。一方で、農薬を散布したイチゴとアジフォル®アミノガード®を使用した場合は、白いかびはほとんど確認できません。以下の写真は、摘み取ったイチゴの比較写真です。白いかびの量の違いが、はっきりとわかります。

    この事例からは、アジフォル®アミノガード®には農薬のような殺菌効果はないものの、作物の抵抗性を高めることで、うどんこ病の発症を一定程度抑えられたことがわかります。

    直接病原菌を殺菌できる農薬と併用することで、より高い予防効果が期待できるでしょう。

    >>アジフォル®アミノガード®の詳細はこちら

    結論

    トマトは、様々な病気にかかりやすい作物です。トマトの病気は発症してしまうと治癒が難しいため、科学的理解・実践的知識を得てご自身の状況判断で対応することが求められます。トマトの病気対策の基本は、農薬による殺菌です。ただし、作物自体の抵抗力を上げることでも病気になりにくいトマトを作ることは可能です。

    バイオスティミュラントは、気象や土壌条件によるストレスを軽減して、作物の成長を助けます。日照不足や栄養不足によって作物が弱っている場合には、バイオスティミュラントの活用が効果的です。ただしバイオスティミュラントは、農薬のように殺菌効果がある資材ではありません。そのため、農薬と併用して活用することが基本です。

    そしてバイオスティミュラントの施用は、病害への抵抗力を上げるだけでなく、収量や品質の向上が期待できます。病気の予防だけでなく、品質の良く収量の多い作物づくりを行うためにも活用を検討してみてください。

    トマトへのバイオスティミュラントの施用事例については、関連記事の「【プロ農家向け】トマトでの施用事例とおすすめ肥料・農業資材 – AgriTecno-Japan」で詳しく解説しています。トマトへの施用事例について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

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