炭疽病(たんそびょう)とは?症状や、対策・予防方法、おすすめ農薬のご紹介

チュートリアル 更新日:

「生育中の作物に発生している病気が炭疽病なのか調べている」

「炭疽病が発生してしまう原因を知りたい」

「炭疽病の対策に効果的な方法や資材を探している」

このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。炭疽病はさまざまな作物で発生する病気であり、対策を怠ると畑全域に伝染してしまうため注意が必要です。

そこで本記事では、以下の内容を中心に解説します。

  • 炭疽病の症状と作物に与える影響
  • 炭疽病を防ぐための対策
  • 病気に強く健全な作物に育てるための農業資材

炭疽病の対策だけでなく、病気に強い作物へと育て上げるのに効果的なバイオスティミュラントも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 【本記事で紹介のバイオスティミュラント】

テカミンマックス アジフォルアミノガード544 アジフォルアミノガード701

目次

    炭疽病とはそもそも何か?

    炭疽病とは、カビの一種である炭疽菌によって起こる病気です。葉や茎だけでなく、果実などあらゆる部位に付着します。炭疽病が発症した際に見られる症状は、以下のとおりです。

    • 葉の表面がざらざらする
    • 黒色の病斑が形成される
    • 葉に穴があく

    炭素病に感染すると、果実表面に黒い病斑が現れます。この病斑は次第に大きくなり、最終的には作物を腐敗させます。炭疽病が付着した作物は収穫時に健全な状態であっても、徐々に菌が活性化して腐敗するため出荷できません。また作物の品質低下だけでなく、株を枯らしてしまう場合もあります。

    炭疽病を引き起こす菌は、1つではありません。炭疽病の原因となるのは、主にGlomerella属とColletotrichum属に該当する菌です。Glomerella属の菌は感染すると葉に斑点が現れ、Colletotrichum属の菌は果実の黒変や小葉の萎縮といった症状を引き起こします。なお、この2つの菌は植物にのみ炭疽病を引き起こすため、人に感染することはありません。

    炭疽病の発生要因

    炭疽病は病原菌が空中を漂い、作物に付着することで発生します。炭疽病を引き起こす病原菌は前年の残渣などに潜んでおり、雨や風などによって運ばれます。特に、梅雨明けなどは雨で病原菌が作物へ流れ着きやすいため、樹勢が弱っている株を中心に防除しなければなりません。

    また、炭疽病は発生すると急激に広がっていくため、株が密集している場所で見つけた場合は早急に対処が必要です。周辺の健全な株にも伝染するため、梅雨や感染が広がりやすいとされる気温25度前後の時期は、作物に異常がないか頻繁に見回りを行いましょう。

    炭疽病の予防と対策

     

    ここでは、炭疽病の予防と対策を解説します。炭疽病は早期に発見して適切な対策をとることで、被害を最小限に抑えられます。発生してから慌ててしまわないように、事前にできる対策内容を把握しておきましょう。

    [予防]

    炭疽病は発症してしまうと、症状が出ている部分は治癒できません。そのため、理想は炭疽病を発生させないことです。予防の観点では、大きく2つに分けて対策できます。

    ①環境対策

    環境面では、圃場を風通しの良い状態に保ちます。ハウス栽培の場合は、天窓や側面のビニールを開けるなどして、定期的に換気しましょう。

    また、炭疽病の予防においては排水対策も重要です。雨や冠水などの水はねによって菌の分生子が飛散して、炭疽病に感染する場合があります。雨よけの設置や作物によっては高設栽培を取り入れるなどして、病原菌の飛散や水はねを防ぎましょう。

    ②農薬の使用

    炭疽病を予防するという点では、農薬の使用も効果的です。

    散布時期は商品や症状によって異なるため、最新の農薬登録・使用方法を確認した上で散布しましょう。

    [発生した後の対策]

    予防策を行っていても、炭疽病の発生を完全に防ぐことは難しいです。そこで、ここでは炭疽病が発生した後に取れる対策を2つに分けて紹介します。

    ①環境対策

    炭疽病が発症してしまった被害株は、速やかに排除しましょう。症状の範囲によっては部分的に葉や茎を除去する形で構いませんが、病斑が大きい場合は株ごと切り取ります。炭疽病は感染しやすく、周辺の株にも伝染する恐れがあるからです。

    また、切り取った株や枝葉は、健全な作物の近くに置かず撤去します。なぜなら、株や枝葉の中で菌が越冬し、新たに炭疽病を引き起こす病原菌が生まれるからです。撤去する際は、圃場の外に持ち出して菌の繁殖を防ぎましょう。

    ②農薬の使用

    炭疽病が発生した作物に使用する農薬には、予防剤と治癒剤の2種類があります。発生後は治癒剤を使用しますが、作物が炭疽病にかかってしまった場合は、完全に症状を回復させることができません。

    一方で、炭疽病が発症した土壌で農薬を使用することにより、感染の拡大を抑制する効果は期待できます。そのため、薬剤は予防する目的での使用が効果的です。

    炭疽病に対するバイオスティミュラントの活用

    炭疽病の対策においては、農薬以外にもバイオスティミュラントを活用する方法があります。バイオスティミュラントとは、非生物的ストレスを緩和することで、作物の健全な生育をサポートする資材です。

    バイオスティミュラントの特性は、炭疽病対策にも活用できます。炭疽病は樹勢が弱まったタイミングで発症しやすいため、バイオスティミュラントの施用により作物を健全に保つことで、病気の予防につながるからです。

    [炭疽病対策におすすめの農業資材の紹介]

    ◆Tecamin Max

    Tecamin Maxは、遊離アミノ酸を豊富に含んだバイオスティミュラントです。アミノ酸を効率良く供給することで、樹勢の良い状態が保てます。また、農薬との混用で薬害の発生や影響を抑えたり、回復を助けたりすることが可能です。

    Tecamin Maxに含まれる上記成分の作用によって、作物の生育においては以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く葉面散布をしたい
    • 曇りの日が続き作物の生育が悪い
    • 暑熱期に苗質を維持したい

    Tecamin Maxの活用により、キュウリにおける病害抵抗性誘導効果がアップした事例を紹介します。Tecamin Maxを施用した際の結果は、以下の写真のとおりです。

    Tecamin Maxを施用することで、グルタミン酸とアラニンというアミノ酸の散布により、炭疽病の発生を抑えられることが確認できました。

    >>Tecamin Maxの詳細はこちら

    ◆アジフォル®アミノガード®

     

    アジフォル®アミノガード®は、Tecamin Maxに比べて遊離アミノ酸とミネラルを豊富に含んだアミノ酸資材です。薬害の発生を抑えて、作物の回復を助けたい時に使用します。

    アジフォル®アミノガード®に含まれる上記成分の作用によって、作物の生育においては以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く能面散布を行いたい
    • 暑熱期に苗質を維持したい
    • アミノ酸やミネラルを補給したい

    アジフォル®アミノガード®はさまざまな作物に施用できますが、イチゴのうどんこ病抑制につながった事例を紹介します。水のみと農薬(モレスタン)、アジフォル®アミノガード®をそれぞれ施用した際の結果は、以下の写真のとおりです。

     アジフォル®アミノガード®を施用したエリアでは、他と比べて白カビがほとんど見られませんでした。

    また、収穫したイチゴの様子は、以下の写真のとおりです。

    アジフォル®アミノガード®の施用により、植物本来の樹勢を高めることで、うどんこ病の発症を抑制する効果がありました。

    アジフォル®アミノガード®だけ施用するのではなく、直接病原菌を殺菌できる農薬と併用することで、より高い予防効果が期待できるでしょう。

    >>アジフォル®アミノガード®の詳細はこちら

    結論

    炭疽病はカビの一種である炭疽菌によって起こる病気であり、葉や茎だけでなく果実などさまざまな部位に付着することで、作物の生育を阻害します。あらゆる作物で発生しやすい病気であるため、科学的理解や実践的知識を得て、自身での状況判断をして対応することが求められます。

    作物への病害を最小限にとどめ、病気を上手にコントロールするという観点ではバイオスティミュラントの施用が有効です。バイオスティミュラント自体に炭疽病を治癒する効果はないものの、根張りや光合成を高める働きが期待できます。そのため、作物を健全な状態に保つことで、炭疽病などの病気にかかりにくくなります。

    ただし、バイオスティミュラントは農薬の代替品ではなく、あくまで効果をアシストするものです。病気に強い健全な作物を生育するには、農薬とバイオスティミュラントのどちらかを選択するのではなく、状況に応じて混用することがおすすめです。

    作物を健全な状態で保つことが炭疽病の予防にもつながるため、生育をサポートする資材として取り入れてみてはいかがでしょうか。

     

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