白絹病(しらきぬびょう)とは?症状や、対策・予防方法、おすすめ農薬のご紹介

チュートリアル 更新日:

「大事に育ててきた作物に白い絹糸のようなものがあり病気を疑っている」

「白絹病が発生してしまう原因を知りたい」

「白絹病の対策に効果的な方法や資材を探している」

このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。白絹病は感染すると治すことが難しく、他の作物にも伝染しやすいため、発見した場合は早急に対処が必要な病気です。

そこで本記事では、以下の内容を中心に解説します。

  • 白絹病の症状と作物に与える影響
  • 白絹病を防ぐための対策
  • 病気に強く健全な作物に育てるための農業資材

白絹病の対策だけでなく、病気に強い作物へと育て上げるのに効果的なバイオスティミュラントも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。 

 【本記事で紹介のバイオスティミュラント】

  

目次

    白絹病とはそもそも何か?

    白絹病とは、株元を中心に白い糸のようなカビが生えてしまう病気です。白絹病を放置すると葉が黄色くなり、株や茎が腐ることで枯れてしまいます。

    また白絹病に感染すると、茎や株に「菌核」と呼ばれる白または茶色で粒状の斑点が現れます。菌核とは、植物に菌類の菌糸が付着してできる固いかたまりです。

    株元に発生した菌核は越冬し、翌年に土を通して別の作物に感染します。菌核は土の中で5年以上生存でき、白絹病が発生した土壌では適切な対処をしなければ、翌年も別の作物で発症してしまうため注意が必要です。

    白絹病の発生要因

    白絹病は6〜9月頃に発生しやすく、高温多湿の環境で活発に活動します。発病適温は25〜35度と比較的高く、雨の多い梅雨の時期や真夏でも発生する病気です。一方で気温が下がる冬期は、白絹病の感染が拡大することはありません。

    土壌は湿潤状態にあると発生しやすく、気温が上がり降雨量の増える梅雨は特に注意が必要です。排水性が良くない環境で発生しやすいため、圃場の風通しを良くしましょう。

    また、白絹病は多くの作物が感染する病気です。ネギやナスなどの野菜だけでなく、スイカやイチゴといった果物に加えて草花にも感染します。

    白絹病が発生した土壌では、感染した作物と違う種類を植えても、菌が生きている場合は土を通じて伝染します。発生源となる感染株を中心に周辺の作物へ伝染するため、見つけた際は徹底的に防除しなければなりません。

    白絹病の予防と対策

    ここでは、白絹病の予防と対策を解説します。白絹病は早期に発見して適切な対策をとることで、被害を最小限に抑えられます。発生してから慌ててしまわないように、事前にできる対策内容を把握しておきましょう。

    [予防]

    作物に白絹病が発生した場合は、完全に治すことができません。そのため、白絹病に感染しないよう予防が重要です。白絹病の予防策を大きく2つに分けて解説します。

    ①環境対策

    白絹病を予防する際は、発生しにくい環境をつくる必要があります。具体的には、株間を取り枝が混み合っていたら剪定するなどして、圃場の風通しを良くしましょう。排水対策においては、畝を高くするなどして水はけの良い環境をつくります。

    白絹病の原因となる菌は酸性土壌で発生しやすいため、石灰肥料を加えることで中性やアルカリ性になるよう調整しましょう。また植物残渣は作物を育てる土壌内で管理せず、必ず圃場から持ち出して処理します。連作も土壌中の緊密度が高まり、白絹病が発生しやすくなるため避け、輪作して栽培する作物をローテーションすると良いでしょう。

    ②農薬の使用

    白絹病の予防においては、農薬の使用も有効です。散布時期は商品や症状によって異なるため、最新の登録農薬状況・使用方法を確認した上で取り入れましょう。

    [発生した後の対策]

    白絹病は作物がかかりやすい病気であるため、土壌環境の管理に気を付けていても発生してしまうことがあります。白絹病にかかってしまった作物を見つけた際は、早急な対策が必要です。

    ①環境対策

    白絹病に感染した作物を見つけたら、速やかに株ごと掘り出します。掘りだした株を土壌内に放置すると菌が繁殖して他の作物にも広がるため、必ず圃場外に持ち出して処分します。

    処分後は菌が土壌内に残りやすいため、天地返しなどにより病原菌の繁殖を防ぎましょう。天地返しとは、地表近くの土と地中の土を入れ替える作業です。白絹病の原因となる菌は、地表近くの酸素を取り込んで繁殖します。

    一方で地中深くは酸素が届かないため、病原菌が活動できません。そのため地表近くの土と地中の土を入れ替えることで、病原菌の繁殖を防げます。

    また、日差しの強い7〜8月頃は太陽熱消毒も効果的です。土壌にたっぷり灌水した後、透明のマルチを土の表面に被せ、20〜30日程度放置しましょう。

    ②農薬の使用

    作物が白絹病に感染してしまった場合は、農薬の使用で一時的に被害を抑えられます。感染初期であれば散布により他の株への拡大を防げます。

    一方で農薬の効果は、感染した白絹病の繁殖や拡大を抑えるだけで、完全に治すことはできません。一度白絹病に感染してしまうと、基本的に繁殖を防ぐための対処しか取れません。そのため、予防により病気を発生させないようにするのが一番の対策です。 

    白絹病に対するバイオスティミュラントの活用

    白絹病の対策においては、農薬以外にもバイオスティミュラントを活用する方法があります。バイオスティミュラントとは、非生物的ストレスを緩和することで作物の健全な生育をサポートする資材です。

    バイオスティミュラントの特性は、白絹病対策にも活用できます。白絹病は樹勢が弱まったタイミングで発症しやすいため、バイオスティミュラントの施用により作物を健全に保つことで、病気の予防につながるからです。

    [白絹病対策におすすめの農薬・農業資材の紹介]

    バイオスティミュラントには根を良く張らせたり光合成を高めたりするものなど、さまざまな種類があります。その中でも病気への対策であれば、アミノ酸資材がおすすめです。

    ここでは、味の素グループで取り扱っているバイオスティミュラントを紹介します。 

    【Tecamin Max】

    Tecamin Maxは、遊離アミノ酸を豊富に含んだバイオスティミュラントです。アミノ酸を効率良く供給することで、樹勢の良い状態が保てます。また、農薬との混用で薬害の発生や影響を抑えたり、回復を助けたりすることが可能です。

    Tecamin Maxに含まれる上記成分の作用によって、作物の生育においては以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く葉面散布をしたい
    • 曇りの日が続き作物の生育が悪い
    • 暑熱期に苗質を維持したい

    >>Tecamin Maxの詳細はこちら 

    【アジフォル®アミノガード®】

    アジフォル®アミノガード®は、Tecamin Maxに比べて遊離アミノ酸とミネラルを豊富に含んだアミノ酸資材です。薬害の発生を抑えて、作物の回復を助けたい時に使用します。

    アジフォル®アミノガード®に含まれる上記成分の作用によって、作物の生育においては以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く能面散布を行いたい
    • 暑熱期に苗質を維持したい
    • アミノ酸やミネラルを補給したい

    >>アジフォル®アミノガード®の詳細はこちら

    結論

    白絹病は株元を中心に白い糸のようなカビが生えてしまう病気であり、放置すると作物の葉が黄色くなり、株や茎が腐り枯れてしまいます。野菜や果物だけでなく草花も感染しやすい病気であるため、科学的理解や実践的知識を得た上で、自身による対応が求められます。

    作物への白絹病による病害を最小限にとどめ、病気を上手にコントロールするという観点ではバイオスティミュラントの施用が有効です。バイオスティミュラント自体に白絹病を治癒する効果はないものの、根張りや光合成を高める働きが期待できます。作物を健全な状態に保つことで、白絹病などの病気にかかりにくくなります。

    一方でバイオスティミュラントは、あくまで農薬の効果をアシストするものであり、代替品ではありません。健康で病気に強い作物を育てあげるには、農薬とバイオスティミュラントの両方を状況に応じて混用するのがおすすめです。

    作物を健全な状態に保つことが白絹病の予防にもつながるため、生育をサポートする資材として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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