農業における木酢液の特徴や役割とは?効果的な使い方について解説

チュートリアル 更新日:

 「木酢液にはどんな効果が期待できるのかな?」

「木酢液を使うタイミングや散布方法を知りたい」

「作物や人体に有害な成分は入ってないの?」

木酢液は炭化した木から出る煙を冷却し、蒸留した液体です。木酢液の作物への散布は、生育促進や病気の予防に効果があります。また土壌に散布すると土壌改良効果があるなど、多目的に使用できる資材です。

しかし木酢液の名前は聞いたことがあっても、効果や使い方がわからないという方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、木酢液の効果や使い方について解説します。農薬や化学肥料の使用を減らしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

    木酢液とは?その特徴について

     木酢液とは、木を炭化する際に出る煙を冷却・蒸留して作られる液体です。煙には油膜やタールも含まれており、フィルターで濾過することで木酢液だけを抽出できます。

    木酢液の成分は、90%が水分で残りの10%は多様な有機成分です。200種類もの成分が含まれており、主な有機成分は以下の5つとなります。

    • 有機酸類
    • アルコール
    • フェノール類
    • ビタミン
    • ミネラル

    有機成分のうち約半分は、酢酸などの有機酸類です。有機酸類はミネラルなどの栄養成分が吸収されやすくなる効果や、土壌中の微生物がアミノ酸を合成する材料になります。

    木酢液はpH1.7〜pH3.7と酸性が強いことも特徴です。木酢液を高濃度のまま土壌に散布すると酸性が強くなりすぎるため、水で希釈して使用します。

     また、木酢液には「ホルムアルデヒド」という毒性を持つ物質が含まれていますが、希釈して使用すれば人体に悪影響を与えることはありません。日本木酢液協会によれば、200倍に希釈した木酢液をビニールハウス内で散布したとして、気中からホルムアルデヒドが検知されることはありませんでした。

    木酢液の効果や役割について

    木酢液は土中や作物にいる有用微生物を活性化させることで、作物の病気予防や生育促進・土壌の栄養状態の改善につながります。こちらでは、木酢液の効果や役割について詳しく解説します。

    病気予防、害虫忌避

    木酢液には殺菌作用があり、カビや細菌による病気を予防する効果があります。木酢液をエサとして増殖した有用微生物が、病原菌の増殖を防ぐためです。具体的には、主に以下の3つの病気の対策として活用できます。

    • うどんこ病
    • モザイク病
    • いもち病

    ただし、作物に病気が広がってからでは効果がありません。病気が発症する前に予防として散布することがポイントです。

    また木酢液の煙のような匂いは、害虫の忌避効果につながります。具体的には、アブラムシやセンチュウなどの害虫に効果があります。害虫対策の場合、作物だけでなく通路への散布でも効果的です。

    作物の生育促進

    木酢液は作物の生育促進に効果的です。木酢液をエサとして増殖した有用微生物が、土壌中の栄養分の分解・合成の役割を果たしてくれるためです。

    例えば、果物では「収穫後の鮮度が高まる」「甘くなる」などの効果があると言われています。また葉物野菜では、甘みが増すことがわかっています。

    土壌改良

    木酢液は強い酸性であるため、高濃度で使用すると土壌消毒効果があります。アルカリ性に傾いた土壌で使用すれば、酸度調整の役割としての活用も可能です。

    また木酢液の散布は有用微生物が活性化して、栄養豊富な土壌づくりに役立ちます。木酢液がエサになり、有用微生物の増殖を促進するためです。米ぬかや腐葉土などの有機質肥料の施肥後に、木酢液を使用するとより効果的です。

    木酢液のメリット・デメリット

    木酢液の散布は、病害の予防など様々な効果があります。一方で、使用方法を誤ると作物に悪影響を与えるなどのデメリットも理解しておくことが大切です。こちらでは、木酢液のメリットとデメリットを詳しく解説します。

    [メリット]

    木酢液は有機物であるため、化学肥料や農薬の施肥を減らせます。化学肥料を減らして有機物の散布を増やすと微生物が増加し、ふかふかとした栄養豊富な土壌づくりができます。

    また土壌改良だけでなく、作物の生育促進や病害虫予防など多目的に使用できることもメリットです。木酢液だけで多様な効果が得られるため、作物の管理がしやすくなるでしょう。 

    [デメリット]

    木酢液のデメリットは「匂いが強い」ことです。木酢液の匂いは害虫の忌避効果があるなどのメリットもありますが、散布の際には肌や服に付かないように注意が必要です。

    また木酢液は強い酸性であるため、適切な濃度で使用しないと作物に悪影響を与えてしまいます。多くの作物は弱酸性が適しているため、酸性が強すぎると根や葉を痛めてしまう原因になります。

    農業における木酢液の使い方

     

    木酢液は、適切な濃度に希釈して使うことが基本です。こちらでは、農業における木酢液の使い方について解説します。

    使用時期

    害虫予防に使用する際は、1週間に一度を目安に散布します。生育促進が目的の場合は、10〜15日置きに散布すると効果的です。いずれの場合も、一定期間を空けて繰り返し散布すると良いでしょう。

    土壌改良として活用する場合は、定植の10〜14日前の使用がおすすめです。散布してすぐに定植すると、土壌中で木酢液が分解されていないため苗を傷めてしまいます。

    散布方法

    木酢液は希釈した上で、じょうろや散布器を使って散布します。使用目的別の適切な濃度は、以下のとおりです。

    • 害虫忌避:200~400倍
    • 作物の生育促進:500~1000倍
    • 土壌改良:0~100倍

    害虫予防として使用する場合は、200〜400倍が適切な濃度です。木酢液をスプレーボトルなどに入れて、葉面に満遍なく散布しましょう。

    作物の生育促進を目的とする場合には、500〜1,000倍程度に希釈します。散布器などを使い、葉の表と裏に散布します。葉から下にしたたり落ちる程度にたっぷりと散布することがポイントです。

    土壌改良として使用する際は0〜100倍程度に希釈します。じょうろや散布器を使って、土壌表面に散布します。1㎡あたり5〜6リットルの散布が適量です。

    まとめ

    木酢液は作物の生育促進と病害虫予防、土壌の改良など多目的に活用できる資材です。ただし、強酸性であるため適切な濃度に希釈して使用しないと、作物を傷めてしまいます。また、匂いが強いため散布の際には肌や衣服につかないように注意が必要です。

    木酢酢は有機物資材であるため、農薬や化学肥料の使用を減らしたい方はぜひ活用を検討してみてください。

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