鶏糞の基本知識:種類別の特徴と効果的な使い方完全ガイド

チュートリアル 更新日:

「鶏糞にはどのような効果が期待できるのか?」
「鶏糞の適切な散布方法を知って生産性を向上させたい」
「種類が多くてどれを選べば良いのか迷ってしまう」
鶏糞は、堆肥や肥料としてホームセンターなどで手頃な価格で購入できる資材です。牛糞や豚糞に比べて「窒素・リン酸・カリウム」などの肥料成分がバランスよく含まれているのが特徴です。
しかし、その効果や使用方法がわからず、使ったことがないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、鶏糞の「メリット・デメリット」や「効果的な使用方法」、「相性の良いバイオスティミュラント」について詳しく解説します。生産性や採算性の向上に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

【鶏糞と相性の良いバイオスティミュラント】

鶏糞とは、ニワトリの糞を乾燥させるなどして作った有機肥料です。元肥、追肥どちらにも使用できます。

鶏糞には作物の成長に欠かせない肥料の三要素「窒素・りん酸・加里」がバランス良く含まれており、肥料効果が高いことが特徴です。ただ一口に鶏糞と言っても乾燥鶏糞や発酵鶏糞などがあり、種類によって含まれている成分のバランスは異なります。

鶏糞は化学肥料よりも安価であるため、有機質肥料を試してみたい方におすすめの資材です。

また、近年注目を集めているバイオスティミュラントと併用して使うことで、肥効を高め品質を安定させたり、収量を増やしたりすることが期待されています。

鶏糞の効果や役割

 

鶏糞は、作物の成長にとって必要な要素がバランス良く含まれています。こちらでは、鶏糞を使用する効果や役割について詳しく解説します。 

肥料としての効果・効能

鶏糞は「窒素・りん酸・加里」の三要素だけでなく、作物の成長に欠かせないカルシウムやマグネシウムといった微量成分も含まれています。

また、三要素の中でも特にりん酸の含有量が多いことが特徴です。りん酸は、花芽のつきを良くする働きがあるため、追肥としての使用に効果的です。特に実をつける作物である、ナスやピーマンなどに向いています。

また有機肥料でありながら、化学肥料のように即効性が高いことが特徴です。そのため、元肥としてだけでなく追肥としての使用も効果的です。

土壌改良の効果・効能

鶏糞は牛糞や豚糞と同様に有機質肥料ではありますが、土壌改良効果は期待できません。鶏糞は炭素率(C/N比)が、牛糞や豚糞に比べて低いためです。低炭素率の有機物肥料は、肥料効果が高い一方で、微生物の活動が促進されるなどの土壌改良効果は低くなります。

販売されている鶏糞には、土壌改良効果を高めるために繊維質などが副資材として含まれています。しかし鶏糞の元々の性質としての効果は低いため、土壌改良を目的とするなら牛糞や豚糞を利用した方が効果的でしょう。

堆肥については、関連記事の「堆肥」で詳しく解説しています。参考にしてみてください。

【鶏糞と相性の良いバイオスティミュラント】

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鶏糞のメリット・デメリット

鶏糞は肥料効果の高さなど、有機肥料を使った栽培には効果的な資材です。しかし、使い方を誤ると作物を傷つける原因にもなります。こちらでは、鶏糞のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

メリット

鶏糞を使用するメリットは、主に以下の4つです。

  • 肥料効果が高い
  • 即効性が高い
  • 化学肥料に比べて安い
  • 安全性が高い

鶏糞を使用するメリットとしてまず挙げられるのは、肥料効果が高いことです。肥料の即効性も高いため、元肥だけでなく追肥としても活用できます。

また鶏糞は、牛糞などに比べて安価であることが魅力です。鶏糞は200〜500円/10kg程度で購入できるため、化学肥料に代替することで資材費用の抑制が可能です。

安全性の面では、作物に悪影響を与える物質が混入しているリスクが低いと言えます。日本の養鶏場のエサは抗生物質などの薬品の使用が認められていないため、不純物が入りにくいためです。

デメリット

鶏糞を使用するデメリットは、主に以下の3つです。

  • 土壌改良には使えない
  • 肥料効果が長続きしない
  • 肥料焼けのリスクがある

鶏糞は繊維質が少ないため、土壌改良効果は期待できません。肥料として活用する場合には、土壌中で分解されやすいため肥料効果が長続きしない点がデメリットです。

肥料焼けのリスクとは、鶏糞が発酵する際に発生するアンモニアによる影響です。ただし、発酵した製品として販売されている発酵鶏糞を利用することでリスクは低下できます。

鶏糞の種類

鶏糞資材には、以下の3つの種類があります。

  • 乾燥鶏糞
  • 発酵鶏糞
  • 炭化鶏糞

乾燥鶏糞とは、熱風で乾燥させて作った資材です。発酵鶏糞や炭化鶏糞に比べて、肥料成分が多いことが特徴です。また鶏糞が発酵していない未熟な状態であるため、臭いが強いことがデメリットと言えます。ただし、臭いは散布後に土の中で発酵することで弱まります。

発酵鶏糞は乾燥鶏糞に比べて窒素成分が少なく、りん酸とカリウムの含有量が多いことが特徴です。そして既に発酵した資材であるため、臭いの心配はありません。

一方で、炭化鶏糞は高温で炭化させた資材です。炭化しているため虫が寄ってくることがなく、臭いが少ないことがメリットです。ただし炭化によって窒素成分が消失しているため、他の種類に比べて肥料効果は弱くなります。

鶏糞資材の形状は、主に粉状またはペレットです。鶏糞は軽いため、粉状の製品は飛散しやすくなります。ペレットは粉状の製品よりも高価ですが、飛散しにくいため扱いやすいことが特徴です。

鶏糞の使い方

使用時期

 鶏糞の散布は、播種・定植の1週間前が効果的です。なぜなら、土壌の窒素状態が安定するまでに1週間程度かかるためです。また散布から4週間以上経つと窒素は無機化するため、早すぎると効果が薄れます。

ただし乾燥鶏糞を利用する場合は、播種・定植の1ヶ月前が適期です。土中での発酵によって発生するアンモニアが、作物の根に悪影響を与えるためです。

散布方法

元肥として使用する場合は、全面施肥をして耕耘でよく土に混ぜ込んでください。追肥として使用する場合、畝間や株間など作物の根に触れない位置に散布することがポイントです。鶏糞が作物の根に触れると、肥料焼けする場合があります。

また鶏糞の使用は土壌がアルカリ性に傾くため、石灰を散布しないまたは散布量を減らすなどの対応が必要です。

まとめ

鶏糞は土壌改良を目的とした堆肥ではなく、有機物肥料としての効果が期待できる資材です。播種・定植前の元肥としてだけでなく、即効性が高いため追肥としても活用できます。

ただし肥料焼けのリスクがあることや、土壌がアルカリ性に傾くなどの特徴を理解して使用することが大切です。

鶏糞は化学肥料に比べて安価であるため、資材費の抑制につながる資材です。鶏糞に関心のある方は、本記事を参考にしてぜひ活用してみてください。

また、近年、注目を集めているバイオスティミュラントは、肥料と併用して使うことで肥効を高め品質を安定させたり、収量を増やしたりすることが期待されます。

味の素ヘルシーサプライは、長年のアミノ酸や核酸の研究を活かし農業現場における多くの問題と向き合って参りました。豊富な経験や実績にもとづき、生産者様のお悩みに応じたさまざまなバイオスティミュラントを提供しております。

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