【プロ農家向け】ズッキーニの栽培方法とおすすめ肥料・農業資材

施用方法 更新日:

「ズッキーニの生産量を増やす育て方が知りたい」

「ズッキーニ栽培において生育が進まず課題を感じている」

「良質なズッキーニの生育をサポートしてくれる農業資材の選び方がわからない」

このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。商品価値の高いズッキーニを育てるためには、温度管理に気を遣いながら誘引や人工受粉などの作業を行う必要があります。

そこで本記事では、以下の内容を中心に解説します。

  • ズッキーニの栽培スケジュール
  • ズッキーニの育て方における注意点
  • ズッキーニ栽培の手助けとなる農業資材

ズッキーニの育て方はもちろん、生育を促進させるバイオスティミュラントについても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。 

 【本記事で紹介のバイオスティミュラント】

目次

    ズッキーニ栽培の時期・栽培暦

    ズッキーニは生育適温が20〜25度であり高温に弱いため、夏期でも比較的涼しい中山間地域での栽培に向いている作物です。ハウス促成栽培では定植が5月中旬になるため、マルチなどの被覆資材を利用して地温の上昇に努めましょう。また、ズッキーニは雄花が咲かないうちに雌花が開花することがあるため、あらかじめ早播きした受粉用の株を用意すると生育が安定します。

    ハウス抑制栽培は生育初期が気温の高い時期であるため、しなび果や小果が発生して商品化率が下がりやすいです。そのため、ハウス内の妻面窓や天窓の開閉や、ミストの使用などによりできる限り涼しい環境を維持する必要があります。ズッキーニの収穫量を増やすにあたって、ハウス促成栽培とハウス抑制栽培を組み合わせることで、6〜10月までの長期出荷が可能です。

    ズッキーニの栽培方法

    ズッキーニの栽培方法に関して、大きく以下の5フェーズに分けて紹介します。

    • 育苗
    • 圃場準備
    • 定植
    • 定植後の栽培管理
    • 収穫・調整

    良質なズッキーニを育てるために、参考にしていただければ幸いです。

    [①育苗]

    播種用のポットは促成栽培では12cm径、抑制栽培では若苗定植のため10.5cm径を用います。ポットに1〜2粒ずつ播種し、播き終えたら手で軽く押さえて水やりを行いましょう。温度が20〜25度になるよう管理できれば、3〜5日ほどで発芽します。2粒播きの場合は、子葉展開時に間引きを行い1本立ちにします。

    播種を行う4月頃は日が暮れると気温も下がるため、育苗ポットにホットキャップを被せるなどして保温しましょう。定植1週間前からは温度を徐々に下げていき、外気にならします。播種後30日を経過すると本葉が4〜5枚になり、定植に適した苗へと生長します。

    [②圃場準備]

     ズッキーニは土壌適応性が広いもののカボチャに比べて根張りが弱いため、排水性の優れた柔らかい圃場が適しています。また、梅雨の時期に生育障害が発生しないよう、明渠(めいきょ)などの対策をして水はけが良くなるようにしましょう。

    施肥は基肥量が多いと草勢が強くなり品質低下を招くため、追肥主体の施肥体系で管理します。成分量と施肥量の目安は、以下のとおりです。

    畝立ては排水性を高めるため高畝にします。促成栽培では地温上昇効果が高い黒マルチ、抑制栽培では地温上昇抑制型の白黒マルチを使用しましょう。

    [③定植] 

    定植は促成栽培であれば4葉期、抑制栽培であれば2葉期に行います。幅3.5間のハウスにおける栽植様式の基準は、以下のとおりです。

    • 畝幅90cm
    • 通路80cm
    • 株間100cm

    ズッキーニは蔓を長く伸ばさないものの葉が大きく広がるため、スペースを広めにとる必要があります。地植えの場合は株が大きく育ちやすいため、株間を100cmほど開けましょう。

    また、移植後はビニールや敷き藁でマルチングします。実が土に触れることで発生する傷みを防いだり、保温したりする効果が期待できます。

    [④定植後の栽培管理]

    ズッキーニは30度以上の高温に弱いため、日中は25度、最低気温は10度を目標に温度管理を行います。

    定植後は十分に灌水し、その後1週間は活着を早めるため水やりは控えめにしましょう。その後、土の表面が乾いて白くなったら畝間に灌水します。水やりは気温が高くない朝のうちに行いましょう。

    ズッキーニは蔓なしの作物ですが、葉の展開に伴って茎が伸長するため、支柱を株の両側に畝と並列に立てて誘引します。誘引が遅れると茎の先端が折れたり、曲がり果が発生しやすくなったりするので早めに行いましょう。奇形果や未受精果は早めに摘果し、樹への負担を軽くします。下葉は1つ収穫するごとに摘葉し、風通しを良くして病害の発生を防止しましょう。

    また、良質なズッキーニを収穫するために欠かせない作業が人工授粉です。ズッキーニは受粉しなければ果実が肥大しません。そのため、雌花の開花に合わせて人工受粉を行います。ズッキーニの場合は、1個の雄花で3個の雌花に受粉が可能です。促成栽培の初期には雌花が発生しやすいため、受粉用の株を用意しておきましょう。

    [⑤収穫・調整]

    ズッキーニの収穫時期は、開花後3日目あたりで果長が16〜19cmになったタイミングが目安です。収穫が遅れると果実の肥大により味が落ちるだけでなく、株に負担がかかります。

    収穫を行う際は、果梗を1cm程度残して調製しましょう。夏期は肥大が早いため、朝晩の2回収穫を行います。未受粉果は収穫できる大きさに肥大しても、すぐに腐敗するため出荷は控えましょう。

    また、ズッキーニは生長するにあたって大きめの葉が混み合い、風通しが悪くなります。そのため、実の収穫後はすぐに下葉を切り取りましょう。風通しや日当たりが良くなるため、株が長持ちするだけでなく収穫も行いやすくなります。

    プロ農家向けズッキーニ栽培のおすすめ肥料・農業資材

    ズッキーニ栽培の播種から収穫の間には、さまざまな問題が発生します。特に天候による生育への影響は、人の手でコントロールできません。

    そこで、ズッキーニの成長を促進させるための手助けとなるのが、味の素グループの農業資材です。ここでは、味の素グループで取り扱っているバイオスティミュラントを例に、肥料・農業資材の効果を紹介します。

    早根早起®「徒長しない丈夫な苗づくりを」

    [効果]

    ズッキーニにおける苗の生育や活着促進を図るのであれば、早根早起®がおすすめです。早根早起®は、苗が徒長しにくいように核酸やキレート鉄・窒素などが配合されています。

    早根早起®に含まれる上記成分の作用によって、以下のような効果が期待できます。

    • 丈夫な根を育成したい
    • 苗の根はりを良くしたい
    • 移植や定植時の活着を改善させたい

    [施用事例]

    早根早起®はさまざまな作物に施用できますが、ネギの生育において根はりが良化した事例を紹介します。早根早起®を500倍に希釈し、2時間浸漬処理を行い1ヶ月後に比較した際の結果は、以下の写真のとおりです。

    早根早起®の施用により根張りが促進され、ネギの苗に良い影響が見られました。

    [使用方法]

    ズッキーニの場合は育苗期から定植前日のタイミングで、500倍に希釈した液を潅水散布します。施用量や施用回数、希釈倍率は生育の具合を見ながら増減してください。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈時によく攪拌し、溶解してから使用する
    • アルカリ性資材やその他農薬などとの混合は避ける
    • 希釈した液は保存せずに、その日のうちに使い切る

    >>早根早起®の詳細はこちら

    アミハート®「丈夫な根の生育に」 

    [効果]

    ズッキーニの発根を促進させるのであれば、アミハート®がおすすめです。アミハート®の特徴は、単分子の核酸を豊富に含んでおり吸収が良い点です。

    アミハート®に含まれる上記成分の作用によって、以下のような効果が期待できます。

    • 根はりを良くしたい
    • 成り疲れを予防したい
    • 作物の生育を促進させたい

    [施用事例]

    アミハート®はさまざまな作物に施用できますが、キュウリの生育が良化した事例を紹介します。アミハート®を500倍に希釈して2週間に1回潅注施用した際の結果は、以下の写真のとおりです。

    アミハート®の施用により、茎が太くなり実の付きも良くなりました。

    [使用方法]

    ズッキーニの場合は定植直後から収穫期までの間に3〜5l/10aを希釈し、10日おきの間隔を目安に施用しますが、生育の具合を見ながら増減してください。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈時によく攪拌し、溶解してから使用する
    • 孔径0.2mm以下の灌水チューブを使用する際は、フィルターを通す
    • 希釈した液は保存せずに、その日のうちに使い切る

    >>アミハート®の詳細はこちら

    Tecamin Max「天候に左右されずにズッキーニの生育をよくする」

    [効果]

    ズッキーニを天候に左右されないよう育て上げるには、Tecamin Maxがおすすめです。Tecamin Maxの特徴は、各種アミノ酸が豊富に含まれていることです。なかでも作物のタンパク質合成に大きくかかわるグルタミン酸が、樹勢回復や維持に大きく貢献します。

    Tecamin Maxに含まれる上記成分の作用によって、以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く葉面散布をしたい
    • 曇りの日が続き作物の生育が悪い
    • 暑熱期に苗質を維持したい

    [施用事例]

    Tecamin Maxはさまざまな作物に施用できますが、キュウリにおいて樹勢が維持されて良い影響が与えられた事例を紹介します。防除時に当社従来品を200ml/10aに希釈して複数回葉面散布した際の結果は、以下の写真のとおりです。

    未施用エリアとTecamin Maxを施用したエリアで比較した際に、秀品の割合が増加しました。

    [使用方法]

    ズッキーニの場合は育苗期から収穫期の間に、10aあたり200〜300mlを希釈して葉面散布します。量や施用回数、希釈倍率は生育の具合を見ながら増減してください。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 生育具合に合わせて施用量や回数、希釈倍率を調整する
    • ミネラルの多い資材と併用する際は沈澱が生じないか確認する
    • 高温時には使用せず、使用前にはよく振る
    • 希釈液はその日のうちに使い切ってしまう

    >>Tecamin Maxの詳細はこちら

    Tecamin Flower「花芽の充実に」

    [効果]

    ズッキーニの花芽を充実させるには、Tecamin Flowerがおすすめです。Tecamin Flowerに含まれる遊離アミノ酸やりん酸、モリブデンなどの成分が花芽の充実につながります。

    Tecamin Flowerに含まれる上記成分の作用によって、以下のような効果が期待できます。

    • 花芽を充実させたい
    • 高温時のストレスによる着花不良、落花を抑えたい
    • 栄養成長から生殖成長への切り替えを促したい

    [施用事例]

    Tecamin Flowerはさまざまな作物に施用できますが、トマトの生育に良い影響が与えられた事例を紹介します。各花房開花時に、200ml/10aに希釈したTecamin Flowerを葉面散布した際の結果は、以下の写真のとおりです。

    未施用エリアとTecamin Flower施用エリアを比較した際に、トマトの花や実の付きが良くなりました。

    [使用方法]

    ズッキーニの場合は、Tecamin Flowerを開花初期に施用します。10aあたり200〜300mlを希釈して葉面散布しますが、生育の具合を見ながら増減してください。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 酸性資材のため、アルカリ性の資材と混用する際は少量から試してみる
    • ミネラルの多い資材と併用する際には沈澱が生じないか確認する
    • 高温時には使用せず、使用前にはよく振る
    • 希釈液はその日のうちに使い切ってしまう

    >>Tecamin Flowerの詳細はこちら

    植物の肥料・農業資材でお悩みの農家様へ

    味の素ヘルシーサプライ(株)では、本記事で紹介した農業資材に限らず長年の研究で培った独自技術を利用した、バイオスティミュラントを取り扱っています。植物の生育に関しては、天候不順など人の手でコントロールが難しい問題も発生することでしょう。

    味の素ヘルシーサプライ(株)が取り扱っているバイオスティミュラントは、発根促進から収穫前まで、作物の生育を促す農業資材が揃っています。ズッキーニだけでなく、さまざまな作物に施用できるため、農家様の課題やニーズに合ったソリューションのご提案が可能です。

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    ズッキーニ栽培のまとめ

    本記事では、ズッキーニの育て方や栽培に役立つ味の素グループのバイオスティミュラントの活用方法を解説しました。良質なズッキーニを収穫するには温度管理に注意しつつ、誘引や人工受粉などの作業を行う必要があります。

    近年では天候不順などにより、ズッキーニはもちろん作物の生育において求められる対策が増えています。ズッキーニ栽培においては、ぜひ味の素グループのバイオスティミュラントを活用いただき、作物の生産性向上を手助けできれば幸いです。

     

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