【プロ農家向け】ピーマンの栽培方法とおすすめ肥料・農業資材

施用方法 更新日:

「ピーマンの苗づくりがうまくいかずに悩んでいる」

「日照不足で十分に光合成ができない場合の対処方法はあるのか?」

「ピーマンの着果数の増加に効果的な肥料を知りたい」

このようなお悩みを抱えていませんか?ピーマンは病害虫に強く、栽培難易度が比較的低い作物です。しかし、品質の良いピーマンを栽培するには、日照や水分が十分に供給されることや栽培の段階に応じた適切な施肥が求められます。

そこで本記事では「ピーマンの栽培のポイント」「おすすめの農業資材」について解説します。ピーマンの各栽培期間におけるお悩みを解決するため、味の素グループが販売しているバイオスティミュラントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

〈本記事で紹介されているバイオスティミュラント〉

早根早起 テカミンマックス アミハート テカミンフラワー テカミンブリックス

目次

    ピーマンの栽培の時期・栽培歴

    ピーマンの栽培は地域や栽培環境によってことなるものの、主に以下の4つの段階に別れます。

        1. 播種
        2. 仮植
        3. 定植
        4. 収穫

    ピーマンには、ハウスと露地での栽培方法があります。ハウスの場合、早い地域では4月中旬には定植が可能です。一方、露地栽培の場合は、5月下旬以降に定植します。

    ハウス栽培による早期の定植は、収穫期間が長くなりますが、生育適温の管理が難しいことがデメリットです。必要な温度を確保できないと、生育障害や奇形果が発生するリスクがあります。

    露地栽培は、生育適温の確保に手間やコストがかからないため手軽に取り組めることが特徴です。ただし、定植後の気象条件によって収量が左右される点には注意しましょう。

     ピーマンの栽培方法

    ピーマンの栽培方法を、大きく以下の6フェーズに分けて紹介します。

    • 育苗
    • 本畑準備
    • 定植
    • 生育初期の栽培管理
    • 収穫開始後の管理
    • 収穫・調整

    良質なピーマンを栽培するために、参考にしていただければ幸いです。

     ①育苗

    育苗は、ハウス栽培・露地栽培のどちらの場合であってもハウス内で行います。電熱温床を使い、適切な温度を維持しましょう。

    播種からポットへの仮植までの流れは、以下のとおりです。

    1. 条間6cm、種子間隔1cmに条播きする
    2. 3mm程度覆土し、発芽まで濡れ新聞紙で覆う
    3. トンネルで被覆し、地温を28~30度に保つ
    4. 発芽したら新聞紙を取り除き、徐々に換気し、密生部は間引く
    5. 本葉2枚頃にポットに移植し、トンネルに被覆し地温25度に保つ
    6. 鉢土を乾燥させないよう灌水する
    7. 定植10日前頃から夜温を18度に下げる

    育病期は、温度管理と灌水に特に注意を払う必要があります。播種後は地温を28~30度に保ち、ポットへの仮植後は25度に保つようにトンネルの被覆を調整します。また、床土が感想しないよう、濡れ新聞紙や灌水を適切に行うことが大切です。

    ②圃場準備

    ピーマンは、心土破砕や暗渠の設置など排水対策を行っている圃場に適した作物です。湿気のある圃場は、生育障害や病気の原因になります。

    圃場の準備は、定植20日前までに土壌改良資材や堆肥を施用します。土壌改良資材を使って、pHを6.0〜6.5に調整しておきましょう。また、ピーマンは栽培期間が長いため、元肥は肥料効果が持続しやすい「有機質肥料」や「緩行性肥料」の施用が適しています。

    施肥量は、以下の表を参考にしてみてください。

     

     耕起、整地後に畝の準備をします。ピーマンの栽培に適した畝は幅180cm、ベット幅100〜120cmの高畝です。

    圃場は定植までの間、マルチをして地温を高めておきます。マルチは土壌の保湿のため、土壌に水分が十分含まれている状態で設置すると良いでしょう。またハウス栽培の場合は、マルチ内に灌水チューブを設置しておきます。

    ③定植

    定植は苗の本葉が11〜12枚、1番花の開花直前が適期です。ハウス栽培の場合は4月中旬以降の2〜3日晴天が続く日、露地栽培は18度以上の気温が確保できる5月下旬に定植を行います。

    ピーマンの定植は、根鉢が1〜2cm地面から出るように浅植えをします。株間は主枝4本仕立てにする場合は50cm、1本仕立てにする際は40cmです。どちらの場合も、1条植えが基本です。

    また第1次分枝の片方が通路側に向くように植えると、定植後の管理がしやすくなります。

    定植後は、十分に灌水をして土を湿らせておきましょう。また、仮支柱を立てて苗を誘引し、1番花は滴下しておきます。

    ④定植後の栽培管理

    定植後の温度管理は、活着までは日中28〜30度、夜間は18〜20度に保ちます。必要な温度が確保できない場合は、シルバーポリをビニールトンネルの上から被せるなどの対応を取ると良いでしょう。

    活着するまでは、土を湿らせる程度に灌水します。着果が始まると多くの水分を必要とするため、定期的な灌水が必要です。水分が足りないと、奇形果や落花の原因になります。

    ただし、過剰な灌水は根を痛めることにつながり土壌病の発生原因になるため、作物の状態を見ながら回数を調整しましょう。

    整枝は「主枝4本仕立て」または「主枝1本直立仕立て」が一般的です。主枝4本仕立ては、以下の図のように1次分枝を2本、2次分枝をそれぞれ2本伸ばします。

    4本の主枝から出る側枝は4節、孫枝は1節で摘心します。主枝4本仕立ては着果量が多くなる一方で、茎や葉への負担が大きくなる点がデメリットです。負担が大きくなると草勢が弱くなるため、不要な枝の除去をこまめに行いましょう。

    主枝1本直立仕立ては、以下の図のように生育の良い1次分枝を主枝として、支柱に沿って垂直に誘引します。

     側枝は捻技するなど生育を抑え、畝からはみ出さない程度の長さで摘心します。上位の側枝は2〜3節で、収穫後には1節を残して切り落としましょう。

    主枝1本直立仕立ては、側枝を放任すると果実の重みに主枝が耐えられません。そのため、整枝作業はこまめに行いましょう。

    プロ農家向けピーマン栽培のおすすめ肥料・農業資材

     

    品質の良いピーマンを多く収穫するには、十分な日照時間や適量の灌水が大切です。日照不足では、十分な光合成ができずに実が大きく育ちません。また、水分は欠かせませんが、過湿は根を痛める原因になるので注意しましょう。 

    しかし、ピーマン栽培において、気象条件によっては十分な日照や水を与えられないケースがあります。日照不足や高温などの非生物的なストレスに対応するには、バイオスティミュラント資材の活用が効果的です。

    こちらでは、品質の良いピーマンを多収するためにおすすめのバイオスティミュラント資材を紹介します。

    早根早起®「根張りのよい丈夫な苗に育て上げる」

    早根早起

    効果

    早根早起®は、育苗や苗の活着促進に有効な液体肥料です。早根早起®には以下の成分が含まれており、徒長しない丈夫な苗の育成が可能です。

    • 核酸
    • キレート鉄
    • 窒素
    • リン酸
    • カリ

    発根や根の伸長を促進する核酸や、光合成に必須の成分である鉄が作物の丈夫な地下部の形成に貢献します。また、窒素・リン酸・カリをバランスよく配合しているため、植物体内のC/N比の改善も期待できます。葉色がよく、葉肉の厚い苗に育てたいとお考えの方におすすめの液体肥料です。

     施用事例

    早根早起®を用いた施用事例として、水稲の根の再生促進が挙げられます。早根早起®の500倍希釈液を、1ヶ月育苗した水稲苗に施用した翌日に根を切断し、純水を入れたビーカー内で培養しました。

    無処理区と「早根早起®」区で比較すると、写真右側のように後者の方が根の再生が早まることが確認できました。このことから、移植時に受けた損傷や害虫による食害などからの、早期の回復が期待されます。

    使用方法

    水で200〜500倍に希釈した液体を、作物の生育段階における以下のタイミングで施用します。

     

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈液がジョウロや散水器などの内部に残留しないよう使用後は洗い流す
    • 使用する機器の目が細かい場合、目詰まり防止のためのフィルターを取り付ける
    • アルカリ性資材や農薬との混用は避ける
    • 希釈液はその日のうち使い切る

     >>早根早起®の詳細はこちら

    Tecamin Max「天候に左右されずに作物の生育をよくする」

     テカミンマックス

    効果

    作物を天候に左右されずに育て上げるには、Tecamin Maxがおすすめです。Tecamin Maxには、各種アミノ酸が豊富に含まれているのが特徴です。なかでも作物のタンパク質合成に大きくかかわるグルタミン酸が、樹勢回復や維持に大きく貢献します。

    Tecamin Maxに含まれる上記成分の作用によって以下のような効果が期待できます。

    • 農薬と混用で効率良く葉面散布をしたい
    • 曇りの日が続き作物の生育が悪い
    • 暑熱期に苗質を維持したい

    施用事例

    Tecamin Maxは、ピーマンの樹勢の維持に効果的であることが明らかになっています。以下の写真は、Tecamin Maxを未施用と資材施用した場合の比較です。

     資材施用の場合、未施用と比べて葉色が良く、果実もまっすぐに大きく育っていることがわかります。

    使用方法

    根菜類の場合は、Tecamin Maxを4葉期前後から肥大期にかけて、10aあたり150〜300mlを500~1,000倍に希釈した溶剤を葉面散布します。施用回数の目安は、月に2〜4回です。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 生育具合に合わせて施用量や回数、希釈倍率を調整する
    • ミネラルの多い資材と併用する際は沈澱が生じないか確認する
    • 高温時には使用せず、使用前にはよく振る
    • 希釈液はその日のうちに使い切ってしまう

    >>Tecamin Maxを試してみる

    アミハート®「丈夫な根の生育に」

    アミハート

    効果

     作物の発根を促進させるのであればアミハート®がおすすめです。アミハート®は単分子の核酸を豊富に含んでおり、単分子であるため吸収の良さが特徴です。

    アミハート®に含まれる上記成分の作用によって以下のような効果が期待できます。

    • 根はりを良くしたい
    • 成り疲れを予防したい
    • 葉色を良くし作物の生育を促進させたい

    施用事例

    アミハート®はさまざまな作物で施用が可能です。以下の写真は、きゅうりの「未施用」と「資材施用」の比較です。「資材施用」の場合では、茎が太くなっていることがわかります。

     

    アミハート®の施用により根張りを促進することで、弱った生育を回復させる効果が期待できます。

    使用方法

    施用する際は、育苗期・定植前後であれば水で500倍に希釈します。定植~収穫前であれば

    潅注施用は2~5L/10a、葉面散布は500倍で施用します。

    使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。

    • 希釈時によく攪拌し、溶解してから使用する
    • 孔径0.2mm以下の灌水チューブを使用する際は、フィルターを通す
    • 希釈した液は保存せずに、その日のうちに使い切る

    >>アミハート®の詳細はこちら

     Tecamin Flower「高温時のストレスによる落花を抑え、ピーマンの着果を促す」

     テカミンフラワー

      効果

    作物の生育ステージは、大きく栄養成長期と生殖成長期に分けられます。生殖成長期には開花と果実の成熟が起こりますが、Tecamin Flowerを施用することで生殖成長への切り替えを促し、着果を高めることができます。

    これは、Tecamin Flowerに含まれる遊離アミノ酸やリン酸・ホウ素・モリブデンなどの成分が、花芽の充実や着果向上に貢献するためです。

     施用事例

    Tecamin Flowerを用いた施用事例として、トマトの着果数の増加があります。10aあたり300mlを希釈した葉面散布剤を、トマトの開花初期とその21日経過後の2回散布しました。その結果は、以下の写真のとおりです。

    慣行区とTecamin Flower区を比較すると、後者の方がトマトの着果数が5%アップし、収量にも増加がみられました。

     使用方法

    Tecamin Flowerは果菜類の場合、開花期と着果期に10aあたり200〜300mlを500~1000倍に希釈した溶剤を葉面に散布します。施用回数の目安は1〜2回です。

    使用にあたっては、以下の点に注意しましょう。

    • 酸性資材のため、アルカリ性の資材と混用する際は少量から試してみる
    • ミネラルの多い資材と併用する際には沈澱が生じないか確認する
    • 高温時には使用せず、使用前にはよく振る
    • 希釈液はその日のうちに使い切ってしまう

    >>Tecamin Flowerの詳細はこちら

    Tecamin Brix「着色のよい大きめの作物に育て上げる」

    テカミンブリックス

    効果

    色づきがよくサイズの大きな作物の育成のためには、Tecamin Brixがおすすめです。Tecamin Brixは、窒素・カリ・ホウ素に加えて海藻エキスを含有した葉面散布剤です。

    Tecamin Brixに含まれる上記成分の作用によって以下のような効果が期待できます。

    • 作物のサイズアップが図れる
    • 色づきがよくなる
    • 規格内個数や重量が増加する

    施用事例

    Tecamin Brixを用いた施用事例として、りんごの着色の改善があります。10aあたり300mlを1666倍に希釈した溶剤を、成熟期に3回に分けて葉面散布しました。

     

    その結果、写真右側のように鮮やかな色のリンゴが収穫できました。

    使用方法

    着果後から収穫前にかけて、10a当たり200〜300mlを500〜1000倍に希釈した溶剤を葉面に散布します。使用回数は、着果後または肥大期から収穫期にかけて3回以上が目安です。

    使用にあたっては以下の点に注意が必要です。

    • アルカリ性の資材のため、酸性の資材と混用する際は少量から試してみる
    • 使用前によく振り、高温時の使用は避ける
    • 成分が結晶化したときは、加温して使用する

    >>Tecamin Brixの詳細はこちら

    植物の肥料・農業資材でお悩みの農家様へ

     

     味の素ヘルシーサプライ(株)では、本記事で紹介した農業資材に限らず長年の研究で培った独自技術を利用した、バイオスティミュラントを取り扱っています。植物の生育に関しては、天候不順など人の手でコントロールが難しい問題も発生することでしょう。

    味の素ヘルシーサプライ(株)が取り扱っているバイオスティミュラントは、発根促進から収穫前まで、作物の生育を促す農業資材が揃っています。ピーマンだけでなく、さまざまな作物に施用できるため、農家様の課題やニーズに合ったソリューションのご提案が可能です。

     >>製品・サービス一覧

    ピーマン栽培のまとめ

     

     本記事では、ピーマンの栽培方法や、栽培に役立つ味の素グループのバイオスティミュラント活用方法について解説しました。品質の良いピーマンを収穫するには、日照不足などの非生物的なストレスを軽減することがポイントです。

    また、各栽培ステップにおいて適切な肥料の散布や灌水が求められます。味の素グループのバイオスティミュラントは、非生物的なストレスの軽減や各栽培ステップにおいて必要な栄養素の補給に効果的です。高品質・安定多収のピーマン栽培に、本記事の内容を参考にしてみてください。

     

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