堆肥の特徴とは?種類や効果、使い方について解説

チュートリアル 更新日:

「堆肥って肥料と何が違うんだろう?」

「堆肥を利用するメリットとデメリットが知りたい」

「堆肥や肥料に代わる農業資材はないかな?」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?堆肥と肥料は混同されがちですが、両者は同じ農業資材でも役割が異なります。両者の役割をしっかり理解し区別することは、作物を栽培する上で必須です。

そこで本記事では、堆肥に関する以下のポイントを解説します。

  • 堆肥の特徴や役割
  • 堆肥の種類
  • メリット・デメリット
  • 堆肥の使い方

また近年注目を浴びている農業資材も紹介するので、ぜひ本記事を最後までお読みください。

目次

    堆肥の特徴とは?

     

    ここでは、堆肥の特徴と肥料との違いについて解説します。

    [堆肥の特徴]

     堆肥は、微生物によって落ち葉や家畜の糞などの有機物が分解されて発酵したもので、土の中の環境を良くする土壌改良剤としての役割を持ちます。堆肥には以下のような、土壌の物理性を改善する役割があります。

    • 通気性
    • 保水性
    • 保肥性

    良い作物を作るための土台となる土づくりに、大きな影響を与えるのが堆肥です。

    [肥料との違い]

    肥料は、農作物を栽培するために欠かせない栄養素を土に投入するための農業資材です。肥料は、作物の成長に必要な3大栄養素の窒素・りん酸・加里などの成分を備えています。

    堆肥は土壌の改善を目的としているのに対して、肥料は作物に栄養分を与えるのが目的ですが、どちらも作物の品質向上や収量増加のために大きな役割を持っています。堆肥にも肥料成分は含まれていますが、肥料に比べると栄養分は少ないため、両者をうまく組み合わせることが大切です。

    堆肥の種類

    堆肥は、大きく動物性堆肥と植物性堆肥に分けられます。ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

    [動物性堆肥]

    動物性堆肥は、家畜の糞などを発酵させてつくられた堆肥です。肥料成分の含有量は高いですが、土壌改良効果は低いです。動物性堆肥には以下のような家畜の堆肥があり、種類によって成分や効果は異なります。

    • 牛糞堆肥
    • 鶏糞堆肥
    • 豚糞堆肥

    特に鶏糞堆肥は肥料分が多く、元肥や追肥としても利用されます。肥料3大成分である窒素・りん酸・加里は鶏糞堆肥が最も多く、次いで豚糞堆肥、牛糞堆肥と続きます。

    一方で土壌改善効果のある有機物の量は牛糞堆肥が最も多く、続いて豚糞堆肥、鶏糞堆肥の順です。

    [植物性堆肥]

     植物性堆肥は、以下のように植物を発酵させてつくられた堆肥です。

    • もみ殻堆肥
    • 腐葉土(落ち葉堆肥)
    • わら堆肥
    • バーク堆肥

    動物性堆肥に比べて肥料含有量は低いですが、繊維成分が多いため保水性・排水性・保肥力といった土壌改良効果は高いです。

    堆肥の役割

     

    ここでは、堆肥の肥料としての効果・効能と土壌改良剤としての効果・効能について見ていきます。

    [肥料としての効果・効能]

    堆肥も種類によっては、肥料としての効果・効能があります。例えば鶏糞堆肥は、他の家畜堆肥に比べて窒素・りん酸・加里の含量が多い傾向にあります。そのため、化学肥料の代替として利用しやすいのが特徴です。

    しかし、堆肥の大部分は数年かけてゆっくりと分解されていくため、即効性は期待できません。

    [土壌改良の効果・効能]

    堆肥には、土壌の通気性や保水性を改善する効果があります。通気性や保水性をつくりだしているのが、土壌の団粒構造です。団粒構造とは、土の粒子がくっつき合い固まりになった状態です。有機物である堆肥を施用することで、土中の微生物の働きによって団粒構造が形成されます。

    団粒構造によって土の中に多くの隙間ができ、単位容積当たりの土壌重量が小さくなり土壌を膨軟にすることで、根の伸長や耕うんのしやすさにつながります。このように、団粒構造は土壌の物理性を改善する上で重要な要素です。

    堆肥のメリット・デメリット

    ここでは、堆肥のメリットとデメリットについて解説します。堆肥をうまく活用するために、良い面と悪い面の両方を理解しておきましょう。

    [メリット]

    堆肥を施用することで得られるメリットは多く、主な効果は以下のとおりです。

    • 土がフカフカになる
    • 土壌の物理性が向上する
    • 病害虫を抑制できる
    • 連用することで地力の強化につながる
    • 化学肥料の使用量を抑えられる
    • 環境にやさしい農業であることをアピールできる

    有機物である堆肥は土壌中の生物の餌となるため、施用することで土壌中の生物や微生物が多様になり、病害虫の抑制が期待できます。また、近年は必要以上に化学肥料や農薬を使用することによって、地力の低下や環境への負荷が懸念されています。堆肥を利用することによって化学肥料の使用量を抑え、環境にやさしい農業が可能となるでしょう。

    [デメリット]

    堆肥には以下のようなデメリットも存在します。

    • 悪臭が出やすい
    • 手間と時間がかかる
    • 未完熟堆肥の施用は危険である

    環境負荷軽減のために堆肥を活用しても、気象条件等によっては悪臭が近隣の住宅にまで及んでしまい苦情につながることがあります。この点を踏まえて、堆肥散布時には適正に処理することが大切です。

    また、有機物である堆肥は微生物が完全に分解するまでに数ヶ月から数年を要します。それまで定期的にかき混ぜる必要があるなど、手間と時間を要するのもデメリットの1つです。

    分解が進んでいない未熟な堆肥を施用すると、作物に悪影響が出ることがあります。例えば、幼苗に起こる立ち枯れなどです。未熟な状態の堆肥は微生物相が多様化しておらず、病原菌が植物体内に侵入しやすいため立ち枯れが起こります。そのため、堆肥はできるだけ完熟したものを施用することが大切です。

    堆肥の使い方


    ここでは、堆肥の使い方について解説します。堆肥は施用するタイミングを誤ると、効果が得られないばかりか作物に悪影響を及ぼすことがあります。また、散布する際には農業器具についての知識も必要になるため、基本的な内容を確認しておきましょう。

    [使用時期]

    堆肥は適切な時期に施用することが大切です。堆肥の施肥直後は分解が激しいため、作物の播種や定植を行うと発芽・活着・生育などに悪影響が出る恐れがあります。

    堆肥化処理が十分でない未熟な堆肥は、作物の播種や定植をする1ヶ月前に圃場にすき込んでおくと安全です。施肥量の目安は以下のとおりです。

    施肥量が多すぎると土壌中の微量要素を打ち消してしまい、作物に悪影響がでるため注意が必要です。

    [散布方法]

    堆肥を散布する際には、機械を使用します。代表的な機械がマニュアスプレッダです。マニュアスプレッダは、圃場の広さや一緒に使用する農業機械との組み合わせに応じて、けん引式・自走式・搭載式に分類されます。

    散布方法は、マニュアスプレッダに積み込んだ堆肥を荷台床面のコンベアで後方へ送り、後部にある回転散布装置(ビーター)で散布します。

    堆肥を散布し耕うんした直後の圃場では、マニュアスプレッダの重みで車輪が埋まることがあるため注意が必要です。また、堆肥の水分含量が多いとコンベアで送れない場合があります。

    肥料についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

    有機肥料の特徴やメリット、おすすめ資材について – AgriTecno-Japan

    まとめ

     

    堆肥の特徴や役割、使い方などについて解説しました。堆肥は肥料とは役割は違いますが、どちらも作物の収量アップや品質向上には欠かせないものです。堆肥のメリットとデメリットを理解した上で、肥料とうまく組み合わせて使用することが大切です。

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